研究課題/領域番号 |
19KK0007
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
林 範彦 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (40453146)
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研究分担者 |
長田 俊樹 総合地球環境学研究所, 研究部, 名誉教授 (50260055)
倉部 慶太 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (80767682)
西田 愛 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (90723693)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | インド北東部 / チベット・ビルマ諸語 / タイ・カダイ諸語 / オーストロアジア諸語 / 危機言語 / 危機文化 / ドキュメンテーション / フィールド言語学 / ムンダ諸語 / 文化接触 / 少数言語 / モン・クメール諸語 / 言語接触 |
研究開始時の研究の概要 |
インド北東部は長らく独特の言語文化が引き継がれていながら、十分な記録のないまま消滅の危機に瀕する状態となっている。これまで外国人の調査にも大きな制限がかかっていた。本研究では代表者の所属する神戸市外国語大学とインド工科大学グワハーティー校との学術交流協定のもと、特に若手研究者を中心に積極的な言語・文化の現地調査を行い、同地域の言語と文化の記録と総合的な分析、および関連研究者との学術交流を進める。
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研究実績の概要 |
本年度の研究実績としては以下の2点に大別されよう。 (1) 現地調査については、研究代表者の林が2023年3月に新型コロナウイルス禍後に初めてインド北東部に入ることができた。カウンターパートであるインド工科大学グワハーティー校(IITG)のPriyankoo Sarmah教授とともアッサム州ティンスキヤ地区に入り、シンポー語とタイパケ語の現地調査を行なった。主として、動物語彙やナラティブの録音データを採集した。また研究分担者の長田はジャールカンド州でのムンダ語の調査を行った。加えて、研究協力者の村上は最も活発にインド北東部での現地調査を進め、ヴァイペイ語をはじめとして、各地でチベット・ビルマ系言語の文法現象の調査とテキスト採集に成功した。 (2) 学会発表やデータ公開についても進んでいる。特に研究分担者の西田は国際会議で2件の研究発表を行い、研究分担者の長田もexpressivesに関する研究発表を行なっている。研究代表者の林はチベット・ビルマ系言語の文法現象の類型的な特徴に関する問題を国際会議やワークショップで講演することができた。また研究分担者の倉部はミャンマー側ではあるが、インド北東部のシンポー語と関係の深いジンポー語の物語について107話分のテキストデータをPARADISECで公開することができた。研究協力者の村上は国内外の学会でインド北東部の社会言語学的な状況に関する報告や、ヴァイペイ語の文法に関する報告を行ったほか、レプチャ語のテキストを公開するなど、豊富な成果を上げることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度までは日本・インド双方ともに現地調査が自由にできる状況になかったが、2022年度に入り、徐々にその状況が改善され、特に2022年8月以降は海外調査も実施されるようになってきた。本研究課題でも研究協力者の村上を中心に、インド北東部でのチベット・ビルマ系言語の現地調査を繰り返し行うことができ、その成果も国際会議等で幾度も発表された。また研究代表者の林も長らく現地調査の機会を伺う状況にあったが、2023年3月にカウンターパートであるインド工科大学グワハーティー校のPriyankoo Sarmah教授とともにアッサム州ティンスキア地区での現地調査を実行することができた。さらに研究分担者の長田もジャールカンド州での調査を行うことができ、研究発表も繰り返し行なっている。研究分担者の西田はこれまでの研究成果を国際学会で発表し、研究分担者の倉部はジンポー語のテキスト整理を順調に進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は研究協力者の村上を中心に、現地調査が展開されたため、新型コロナウイルス禍が生じて以降、最も進んだ一年であったと言える。しかし、まだ十分でない部分もある。例えば、代表者・林および分担者・倉部はインド北東部での現地調査が十分進んでいない。代表者・林は2023年3月にカウンターパートであるインド工科大学グワハーティー校のPriyankoo Sarmah教授とともにアッサム州ティンスキア地区でシンポー語・タイパケ語の予備調査を進められた。これを2023年度は継続して行いたい。 また2023年度はこれまでの成果を国際ヒマラヤ言語学シンポジウム(パリ)で発表する予定であるが、この機会を捉え、海外の研究者と今後の研究連携などの協議を進める。
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