研究課題/領域番号 |
19KK0015
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
杉浦 未樹 法政大学, 比較経済研究所, 教授 (30438783)
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研究分担者 |
鈴木 英明 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 准教授 (80626317)
小林 和夫 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (00823189)
島田 竜登 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80435106)
守川 知子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00431297)
松方 冬子 東京大学, 史料編纂所, 教授 (80251479)
飯島 真里子 上智大学, 外国語学部, 教授 (10453614)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | グローバルヒストリー / 循環 / カテゴリー デザイン / 交易 / マテリアルカルチャー / 領事報告 / 世界史 / アフリカ / グローバルヒストリ― / 環境史 / 文化 / マテリアリティ / 区分 / 環境 / 物質文化 / 交換 / 歴史学 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、グローバルヒストリー研究では、従来、移動・伝播・交換取引と表していた知・情報・モノの移動を、「循環 Circulation」に替える傾向がみられるが、本研究は、この「循環」を主にモノの世界史や環境世界史の視点から再規定し、プロセスを可視化した歴史叙述の枠組みとして構築することを目指す。一方、グローバルヒストリー分野における革新的な国際共同研究方法として、国際共著論文からなる論文集を最初から目標においてチーム編成し、個々の共同研究の体験を全体に反映させる方法をとり、成果を広く発信する。また後進育成のための米独仏日サマースクールを共催する。
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研究実績の概要 |
今年度は、二つのサブプロジェクトを軸に、最終成果を発信していくための準備を進めており、さらにウォーリック大学のパートナー研究者との交流を、共同プロジェクトや学会共同発表、来訪セミナーによって深め、外部のネットワークともつなげた。具体的には、4月には、杉浦がイェーテボリ大学で行われたESSHC学会で、ライデン大学のAntune教授とウォーリック大学Gerritsen教授と'Exploring Other's Empires'のセッションで発表し、5月を皮切りに、昨年立ち上げた"Whose Global History?"プロジェクトで、ウォーリック大学のMeeresbergen教授、Gerritsen教授およびRiello教授(EUI)らと、11月、12月、2月と会議を重ねた。また、島田と守川がウォーリック大学を訪問し、GHCCセミナーで研究発表を行い、杉浦は、Riello教授がリードする交易をめぐる二つの共同研究に参加し、共著論集に原稿を提出し、9月にEUIでの国際会議に参加し発表した。第一サブプロジェクト「日本と英領東アフリカの交易研究」では、6月にFletcher教授を招聘し、杉浦・島田・鈴木で共著本の執筆に向けて共同調査と研究会を開催し、小林も協力した。その後、杉浦と鈴木がそれぞれ異なる研究会で関連発表を重ねた。さらに出版のためのプロポーザルをまとめ1月に出版社が決定した。第二サブプロジェクト"Categories at Work"では、研究代表者が、全体の構想と研究手法を明確にすることを目指し、工芸品に注目した法政大学比較経済研究所のシリーズプロジェクトを開始し、京都工芸繊維大学の研究者と協力し7月に研究会、11月に国際シンポジウムを開催した。ウォーリック大学の研究者と協議の上、小林・飯島の発表するセミナー開催と国際会議開催等の次年度の計画を詰めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終年度に向けて共同研究の成果の準備を進めることができた。日本と英領東アフリカの交易をテーマとする共著本は、各章を討議しあい内容を決め、外部の研究会でそれぞれ発表し、フィードバックを得た。出版社に提案書を出し、アフリカ研究シリーズに認可された。グローバルヒストリーが生み出した区分を問題とするプロジェクトでは、2024年度にオンラインセミナーを経て全体カンファレンスに向けて準備をした。当初はこちらでも共著本を準備していたが、参加研究者のスケジュール調整が難しく、また、テーマに広がりがあることが分かったため、軌道修正して準備している。 その一方で、当初予測しなかった前進も多々あった。研究分担者もパートナー研究者たちがそれぞれの展開する研究ネットワークに接合する形で共同研究をすすめ、当初想定しなかった国際共同論文集・論考を、研究代表者とパートナー研究者間だけでも、今後2年間に4つ以上出せそうである。また、この共同研究で展開し発信してきた研究に関心をもってもらい、インドやポルトガルのコインブラ大学のグローバルヒストリーセンターをはじめとした、研究ネットワークとの接合ができた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の報告書にも記載したが、このプロジェクトは国際共同研究を、1.国際学会・シンポジウムなど広い成果発表の場や、ウォーリック大学のセミナーでの研究発表でのオープンな交流、2.サブプロジェクトをたて、グループで共同論文集を成果としてまとめる交流、3.研究者同士がペアとなり個別共同研究の推進、4.グローバルヒストリー の研究発展と後進育成をめざしたプロジェクトを共同遂行という、四つの異なる次元を設定して推進している。最終年度として、とくに1,2に注力し、将来への橋渡しを行う。1.では、今年度より続くWhose Global History Project に参加し、共著論考を発表する。そのほかにもパートナー研究者(の進めるCAPASIAプロジェクトの論文集に、研究代表者が寄稿する。またサブプロジェクトに関連したシンポジウム・学会発表も行う。さらに鈴木・小林がウォーリック大学を訪問し、GHCCセミナーで発表予定である。 2、では、日本と英領東アフリカの交易を軸とするサブプロジェクト①で、共著本をまとめ出版社に提出する。そのため、条件が整えばパートナー研究者(Fletcher氏)を招聘する。また、フィードバックを得るため、12月15日にシンポジウムをライデン大学のAntune教授と開催する。また、Categories at Workのサブプロジェクトでは、共同オンラインセミナーを2回開催し、ウォーリック大学のパートナー研究者を複数招聘した1日~1日半のカンファレンスを2024年2月8日~9日に行う。これらの企画は、いずれも4.グローバルヒストリーの研究発展と後進育成に直結している。
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