研究課題/領域番号 |
19KK0030
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分5:法学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西谷 祐子 京都大学, 法学研究科, 教授 (30301047)
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研究分担者 |
小田切 紀子 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (10316672)
小川 玲子 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (30432884)
木村 敦子 京都大学, 法学研究科, 教授 (50437183)
原 めぐみ 和歌山工業高等専門学校, 総合教育科, 准教授 (90782574)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 子の保護 / ハーグ条約 / 子の連れ去り / 子の権利 / 国際私法 / 学際研究 / 移民 / 児童の権利条約 / アイデンティティ / 国際的な子どもの保護 / 国際的な子の連れ去り / 難民 / 国際共同研究 / 子の奪取に関するハーグ条約 / 社会的統合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は,児童の権利条約30周年を機に(1)国際的な家族の離別と子どもの保護,(2)外国人の子どもの保護について研究することを目的としている。 (1)については,法学及び心理学による学際的な国際共同研究を行い,子の奪取に関するハーグ条約の運用上残された課題として,①児童心理学を踏まえた子の意見聴取,②面会交流の実現,③日本での運用に関する対外発信を行い,改善のための提言を行う。 (2)については,日本における外国人の子どもの保護について,法学及び社会学による学際的な国際共同研究を行い,①移民の家族統合と人権保障,②国籍法制,③学校教育及び多文化政策について検討を進め,提言を行う。
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研究実績の概要 |
本研究課題は,研究代表者及び研究分担者がドイツ・フランス・英国等の研究者と密接に連携し,法学のみならず,社会学及び心理学の専門家も交えて,子どもの権利について学際的な国際共同研究を行うことを目的としている。2023年度には,研究代表者が米国及びオランダに渡航する機会を得て,4月にニューヨーク大学におけるシルバーマン教授退官記念シンポジウムで報告を行ったほか,ハーグ国際法アカデミー100周年記念大会に出席して報告し,子どもの権利保護の視点から推進してきた国際家族関係及び移民の子どもの権利保護に関する研究成果を発表することができた。いずれの会合においても,国際家族法の領域で世界的権威に当たる学者の方々と交流し,広く実務家の方々も交えて貴重な意見を伺い,研究成果に対する有益なコメントを頂戴することができた。また,9月にはオンラインでニューヨーク大学企画による子の奪取に関するハーグ条約に関するウェビナーにてシルバーマン教授とともに報告を行い,日米における運用状況の異同及び解釈論上の論点について充実した検討及び意見交換を行うことができた。そのほか1月には京都にてグローバル立憲主義の専門家を招聘して研究会を開催した。また,3月には,小田切紀子教授が中心になって日本弁護士会会員とともにシンガポールから複数の裁判官を招聘し,東京及び大阪において治療的司法に関する充実した国際シンポジウムを開催することができた。 本研究課題においては,法学のみならず,社会学及び心理学の専門家と連携し,研究者及び実務家の視点を組み合わせて多角的な視点から子どもの権利保護に関する国際共同研究を推進することができた。また,理論的かつ哲学的な視点からもグローバル法多元主義の意義と課題,人権保障の枠組み等についても検討を進め,優れた専門家と有益な意見交換を行うことで,大きな成果につながったといえる。
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