研究課題/領域番号 |
19KK0048
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松本 行真 近畿大学, 総合社会学部, 教授 (60455110)
|
研究分担者 |
吉原 直樹 特定非営利活動法人社会理論・動態研究所, 研究部, 研究員 (40240345)
齊藤 綾美 東北文化学園大学, 現代社会学部, 教授 (70431484)
岡野 英之 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (10755466)
杉安 和也 岩手県立大学, 総合政策学部, 講師 (30785192)
|
研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | コミュニティ / 広域避難 / 原発事故 / 噴火 / 平時 / 有事 / 広域・長期避難 / 平時/有事 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は長期・広域避難を余儀なくされたバリ島(火山噴火)と比較対照としての福島県双葉郡楢葉町・富岡町(原発事故)を主なフィールドに定め、①慣習と民衆知②つながりと社会関係資本③日常/非日常という視点から、文献調査、ヒアリングやアンケート調査などを通じて、1)地域住民組織が避難時に果たした役割、2)火山噴火と原発事故といった長期・広域避難における両者の共通性/差異性と要因を明らかにし、平時/有事の連続性をみすえた避難体制構築のパラダイムを検討する。
|
研究実績の概要 |
本年度に実施したのは次の二つである。 (1)『原子力災害により分化・複層化する地域社会―復旧・復興に向けた富岡町の道程―』を御茶の水書房から2023年10月25日に刊行した。本書では震災前の区会という従前のコミュニティを論考の基底にすえつつ、震災後に結成された仮設住宅自治会だけでなく、(震災後の口コミによる)ネットワークと(口コミも震災前の関係に基づいたりする)コミュニティの両性質を併せ持つ広域自治会、さらには広域支援のためのネットワークにも焦点をあてる。具体的には、帰還困難区域を除き避難指示が解除された双葉郡(主に富岡町)にフィールドを定め、おおよそ2015年から2023年にかけたリアルな「いま」を描きつつ、そこに住まう/住んでいた人びとは震災前後も「さほど」変わらず、帰町/避難先定住の段階においても同様なことを各視点による調査結果から明らかにした。 (2)バリ島(噴火)については2024年2月に代表者が4年ぶりに渡航し、ウダヤナ大学ブディアナ氏、ガネーシャ教育大学アンタルティカ氏とコロナ禍/後におけるバリ島の現状と研究の方向性に関する意見交換を行った。また、アグン山周辺の住民組織(バンジャール・クシンパール)リーダーにもヒアリングを行い、コロナ禍でのバンジャール内の住民対応の実態と課題を明らかにすることが出来た。更にコロナ禍に関連して、ウダヤナ大学とガネーシャ教育大学の在学生を対象に、平時と有事の情報収集・共有等の実態・評価等に関するアンケート調査をそれぞれ2023年9~10月、2024年3~4月にかけて実施し、バリ島内の大学生のメディア接触状況を明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本側研究者のバリ島調査を2023年度内に複数回実施する予定であったが、旅費の高騰等の事情により2024年2月の1回のみの訪問であったこと。その時の訪問でテムクス他の複数のバンジャールへの聞き取りを予定していたが、日程調整が不調だったことによるなどで十分な調査が出来なかったことが理由である。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染拡大等の影響により十分な調査研究を遂行できなかったが、これまでの得られた成果を集成し、年度末までに『災禍の民衆知と避難行動の比較分析』(12章、280頁)の刊行を目指す。そこで各分担者の執筆に向け、必要に応じてバリ島(噴火)、福島県双葉郡楢葉町・富岡町/いわき市(原発事故)への追加調査を行うものとし、特に代表者によるバリ島への訪問によるバンジャール、そして今年度新規に実施したバリ島内の大学生への追加調査を複数回予定している。
|