研究課題/領域番号 |
19KK0059
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 四天王寺大学 (2021-2022) 大阪教育大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
柏木 賀津子 四天王寺大学, 教育学部, 教授 (40549052)
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研究分担者 |
家近 早苗 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (40439005)
池田 真 上智大学, 文学部, 教授 (10317498)
長田 恵理 國學院大學, 人間開発学部, 准教授 (40581690)
尾崎 拓郎 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (40713813)
矢田 匠 東洋大学, 国際共生社会研究センター, 客員研究員 (70925289)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | Teacher Agency / フィンランドの教育 / グローバル教育研修 / カリキュラムマネジメント / CLIL / ICTの教育応用 / リーダーシップ / 職場のチーム形成 / 21世紀型スキル尺度 / グローバルリテラシー / Teacher Agencyスケール開発 / 分散型リーダーシップ / ICTの相互作用的活用 / スクールリーダーシップ / Student Agency / 国際共同研究 / グローバルポートフォリオ / 教科横断CLIL / グローバルスクールリーダー / 教科連携CLIL / Society 5.0 |
研究開始時の研究の概要 |
Teacher Agency形成の要素(向社会性要因)を探り、現職教員を含む教職大学院における教育的介入(1~3)が、どのような変容をもたらすかについて検証するスケール開発を行いその変容を明らかにする。研究代表者らがフィンランド等を訪問し、日本とフィンランドの教員養成とその資質の比較を行う(1)グローバルスクールプログラムの開発と実施。(2)教科連携CLILのInterdisciplinary approachを用いた授業改善と国際間の共同研究経験・教員間・異文化間のコンタクト、(3)教育のプラットフォーム運営・学校経営にICTを応用、教職大学院グローバルスクールリーダー育成モデルを提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は、グローバルスクールリーダーとしての資質やTeacher Agency(教員の意図を持って建設的に周囲に働きかけながら教育活動を計画実行する能力)の形成に必要な大学院や現職研修での教育的介入方法を明らかにするもので、日本とフィンランドの国際共同、およびInterdisciplinary Approach(異分野連携)により進めていく。 2020年度~2021年度は、以下の3点を実施した。(1)NITS教職員支援機構の採択プログラムとして、大阪府・大阪市・堺市の協力を得てグローバル教育講座を実施した(全8回)。(2)自治体と連携して、グローバルスクールリーダーの学びの場を創成した。CLILのカリキュラム開発と授業、国際共同研究を行い、大阪府水都中学校・高校からの教員招聘、フィンランド国、ユバスキュラ大学からの講師招聘を行った。(3)対話型研修のファシリテーターの資質、ICTの教育活用を学びのシラバスに組んだ。管理職や研修主任が参加してその後は、自校の校内研修に活かした。成果はNITS採択プログラムの報告にまとめた。2022年は、「教員の21世紀型スキル尺度」(47項目)の信頼性・妥当性を検証し、グローバル教員の資質・指針を示した。また、①Teacher Agencyの尺度(TAS)、②学校や職場のリーダーシップの尺度、③CLIL親密度の3報告から、質問紙アンケート「CLILと職場のチーム形成」を作成し、対象者600名へのデータ収集を実施中である。CLIL・STEAMのカリキュラムと職場への実践的応用には、教員のTeacher Agencyの高揚に拠る職場のチーム形成が不可欠であろうことから、教員養成の視点から分析を進めている。2023年度は、フィンランド国、ベトナム国への教育視察を行い、フィンランドからの講演招聘やCLIL教員研修を実施し、双方向の国際学術交流を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度前半まで、新型コロナ感染症の影響で、フィンランド教育機関訪問が出来なかったため、オンラインでの学術交流に着手できたものの、データ収集は相手国に出向く必要があり、令和4年後半より、当初の計画である「CLILと職場のチーム形成」質問紙を作成し、日本とフィンランド、およびアジアでデータ収集を開始したところである。 進展している面では2点が挙げられる。(1)NITS採択プログラムとして、GLEE(Golobal Leadership as Educational Entreprenurship)として大阪府自治体の協力、NPO(Teach For Japan)の協力を得て、「グローバル教育研修プログラム」(合計8回の対話型オンライン講義)を実施した。受講者には管理職・研修主任等のリーダーとしての意識が高い教員が多く、自校の公開研究会に早速EdTech、CLIL、STEAMの要素を取り入れ、分散型リーダーとしての役割を発揮された。自治体と受講者から高い評価を得てNITSへの成果報告を行った。(2)「Teacher Agencyスケール」の項目を完成し、また、「教員21世紀型スキル尺度」の妥当性・信頼性を検証することができた。ZOOMに拠る対話型オンライン研修を実施して成果が見られた(GLEEプログラム)。 一方で、やや遅れている面は以下である。令和4年度後半より海外渡航が可能となり、フィンランドとベトナムでの学術交流が大幅に進展した。そこでの学術交流を基に「CLILと職場のチーム形成」質問紙を完成し、Teacher Agencyに関する学術資料の収集と、データ収集(対象者600名)を開始したがまだ時間を要すること、その分析と得られた結果から教育的介入に拠る量的・質的に変容を明らかにしていく必要があることである(探索的実証研究)。成果をまとめ海外学会発表・論文執筆を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度後半より海外渡航が可能となり、フィンランドとベトナムでの学術交流が大幅に進展した。令和5年度には、フィンランド、及びオーストリア、アジアのCLILとグローバルリーダーとの国際学術交流を予定している。「CLILと職場のチーム形成」質問紙のデータ収集を媒介として、Teacher Agencyに関する学術資料の収集と、データ収集(対象者600名)を終了しその分析と得られた結果から教育的介入に拠る量的・質的に変容を明らかにしていく(探索的実証研究)。データ収集では、日本の教員と、フィンランドの教員、またベトナム等アジアにおける質問紙調査を実施して、比較を行う予定である。Teacher Agencyの比較や、教員研修の在り方について、成果をまとめ、国際共同研究として、シンガポールで開催されるWERA等での海外学会発表・国際共著論文執筆を目指す。
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