研究課題/領域番号 |
19KK0065
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分11:代数学、幾何学およびその関連分野
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
山内 博 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (40452213)
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研究分担者 |
宮本 雅彦 筑波大学, 数理物質系(名誉教授), 名誉教授 (30125356)
荒川 知幸 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40377974)
島倉 裕樹 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (90399791)
川節 和哉 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (90853531)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 頂点代数 / W代数 / 共形場理論 / 4D/2D双対性 / テンソル圏 / 4d/2d双対性 / 四次元多様体 / 双対性 / 不変量 |
研究開始時の研究の概要 |
頂点代数は二次元共形場理論におけるカイラル代数を数学的に定式化した無限次元の代数系であり,表現論,群論,保型形式,代数幾何学,組合せ論,数理物理学などさまざまな分野に応用を持つことが明らかになっている。特に近年は弦理論に現れる三次元以上の場の理論において,理論の不変量としての頂点代数が注目を集めており,数学的にも新しい展開を見せている。本プロジェクトでは新しい手法と広範な知識が要求される既存のクラスを超える頂点代数に重点を置いて,国際共同研究を行う。
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研究実績の概要 |
当該年度の研究代表者および研究分担者の研究実績の要約は以下の通りである。山内は Thomas Creutzig, Ching Hung Lam とともにミラー拡大から得られる正則頂点代数の族について共同研究を継続した。また,Cuipo Jiang, Ching Hung Lam と共同で,中心電荷1のヴィラソロ頂点代数の表現論を有理的でない頂点代数の拡大に応用する研究を実施した。島倉は中心電荷 24 の正則頂点作用素代数の自己同型群の構造と頂点作用素代数構造の一意性に関する成果を論文として発表した。また,既約表現の指標がある種の微分方程式の解となる頂点作用素代数の分類の研究を行った。特に中心電荷がと16の場合に,いくつかの仮定の下で分類し,論文として発表した。荒川は擬平滑な頂点代数の新しい例として,カイラル微分作用素の大域切断として現れる頂点代数に関わる予想を立て,いくつかの場合にこれを確認するとともに,その応用として,新たな自由場表示を構成した。また,Sven Moeller,桑原敏郎とともに,点のヒルベルト概型のカイラル化に関する共同研究を行い,マイクロローカルな頂点超代数の層を構成した。川節は4d/2d双対性に関連する対数型共形場理論の表現論に現れる物理的な予想を一般化し,厳密な数学的証明を目指して,関連する表現の分類理論や指標のモジュラー不変性などを調べた。その一環として,David Ridout と対数型共形場理論の表現論について共同研究を行った。宮本は Ching Hung Lam との共同研究を実施し,リーチ格子の深洞を利用した中心電荷24の正則頂点代数構成と分類について研究や,ボーチャーズ代数を応用する新たな手法の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度はまだ新型コロナウイルスへの感染および水際対策が実施されていたが,制限が徐々に緩和されたため,国内外への共同研究のための出張が可能となった。海外では感染対策は大幅に緩和されており,多くの研究集会や研究プログラムが実施されており,それらに参加することにより,各国から集まった専門家と対面にて遅延のない効率的な討論および情報共有ができるようになった。研究代表者・分担者らが各々の海外の共同研究者と面会し,共同研究に関わる研究打ち合わせを実施できた。これまでの研究内容の整理とともに,新たな課題に関しても知見を共有できた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度と同様に,引き続き次の4つのプロジェクトを柱として,研究を進める。A.正則頂点代数の属の研究:すべての有理的頂点代数はある正則頂点代数に埋め込められる予想が提唱されており,正則頂点代数の構成と分類は有理的頂点代数の分類において本質的である。島倉は中心電荷32の正則頂点代数の分類について研究を進める。宮本はムーンシャイン型正則頂点代数について,リー理論の専門家との国際共同研究を進める。 B.四次元多様体と頂点代数の拡大理論,C.ログ共形場理論と保型形式,D.4d/2d双対性:この3つのプロジェクトでは有理的でない新しい頂点代数のクラスを扱う共通点がある。山内はB,Cにおける拡大理論について,引き続き研究を行う。荒川と川節はC, Dに関連して,より一般の擬平滑な頂点代数のウェイト表現について国際共同研究を進めていく。 研究協力者である杉本,森脇,元良,佐藤らも必要に応じ海外共同研究者の元へ派遣し,A, B, C, D のテーマに関係する研究を行ってもらう。その上で,長期滞在を通じて得られた研究知見について,国内外で連絡を密にとり,共有することで,研究代表者および分担者らがグループとしての研究の方向性を決定・提案していく。
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