研究課題/領域番号 |
19KK0068
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 (2023) 中部大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
荒井 迅 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (80362432)
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研究分担者 |
平岡 裕章 京都大学, 高等研究院, 教授 (10432709)
大林 一平 岡山大学, サイバーフィジカル情報応用研究コア, 教授 (30583455)
竹内 博志 滋賀大学, データサイエンス教育研究センター, 助教 (40851457)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 位相的データ解析 / 計算トポロジー / 力学系 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,力学系と計算トポロジーを融合させることで,双方の分野の困難を突破する新しい手法を提案する事を目指す.まず,力学系で開発された Connection Matrix の理論とパーシステントホモロジー理論を融合させることで,時系列に適用可能な位相的データ解析法を構築する.また逆に,計算トポロジーの理論に基き,位相的な構造の変化に着目した,応用可能性の高い新しい力学系の安定性概念を定義することを目指す. これらの目的を達成するため,力学系の研究と位相的データ解析の双方で指導的な役割を果たしてきた,米国ラトガース大学のミシャイコフ教授のグループとの連携を進める.
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研究実績の概要 |
本研究は,力学系と計算トポロジーを融合することにより,新しいデータ解析の手法を開発すること,また開発した手法を用いて様々な分野の具体的な応用問題に貢献することを目指す.さらに,具体的な問題への応用という観点から力学系の安定性理論を見直し,新しい力学系の安定性概念を提案することも目的とする.主な道具は,力学系理論からはコンレイ指数理論や分岐理論,一様双曲性証明アルゴリズムであり,計算トポロジー理論からはパーシステントホモロジー理論やその逆問題解析法などである.この目的のため,力学系の研究と位相的データ解析の双方の分野において世界的に指導的な役割を果たしてきた,米国ラトガース大学のミシャイコフ教授のグループと連携を進める.アルゴリズムの実装から具体的な応用まで幅広く相互に技術を交換し,データ解析の新しい枠組みを展開することを目指す.本年度は,パーシステントホモロジーの逆問題に関する解析手法の発展や,その応用について進展があった.また,昨年度に引き続き,動的なデータ解析を目指す上で重要な,サンプル写像に対するパーシステントホモロジー理論の基礎づけや,計算アルゴリズムについての研究も進めた.応用面では,位相幾何学的な手法で得られる解析結果を,統計的因果推論や大域的な力学系解析手法などの結果と比較し,また相互に組み合わせることで信頼性を高める手法について研究を進めている.そのような手法を神経生理学などの異分野から提供される様々な実データに対して適用し,生物学的な知見と位相的データ解析の結果を比較する研究を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度までの新型コロナ感染による影響もあり,海外へ渡航しての研究活動は予定より遅れている.サンプル写像に対するパーシステントホモロジー理論の基礎づけや,実データへの応用可能性についての検討,さらに具体的なデータ科学者との連携は比較的順調に進んでいるが,研究のまとめに向かう年度としては進捗はやや遅れぎみと判断した.
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今後の研究の推進方策 |
サンプル写像のパーシステントホモロジー理論を基礎に,データ駆動型のコンレイ指数理論を構築することを引き続き目指す.さらに,その計算アルゴリズムの高速化と並列化のため,様々な近似アルゴリズムやデータ構造などを取り入れる研究を行なう.また,神経整理学に由来するデータの解析への応用について検討を始め,どのような幾何構造がデータの表現に最適であるかの検討や,それに即したアルゴリズムの開発を進める.
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