研究課題/領域番号 |
19KK0097
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丸田 薫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (50260451)
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研究分担者 |
中村 寿 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (40444020)
森井 雄飛 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (50707198)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 大規模数値解析 / 燃焼 / ノッキング解析 / 大規模解析 / プラズマアシスト燃焼 / 大規模燃焼解析 |
研究開始時の研究の概要 |
米国発の超大規模数値解析ライブラリと,これと高親和性の申請者らによる計算高効率化手法とを組合せ,世界の著名研究者と連携する.当グループ独自のマイクロ燃焼現象を標準現象として採用し,モデル更新及び高効率化を継続可能な共同開発環境を整備,以てモデルベース燃焼研究の高度化を図る.既存燃焼モデルでは対応できない排出ガス予測や超高効率燃焼技術開発に必要なマルチスケール燃焼モデルを構築する.開発ソフトウェアを用い,次世代燃焼技術として期待される非平衡プラズマアシスト燃焼の数値解析技術を確立する.開発ソフトウェア群は公開し,本研究終了後も世界の研究者と連携してソフトウェア高度化を継続可能な環境を整備する.
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研究実績の概要 |
米国発の大規模数値解析ライブラリと,これと高親和性の研究分担者開発による計算高効率化手法とを組合せ,反応性流体の大規模数値計算を実施している.当グループ独自のマイクロ燃焼現象,さらに実用燃焼器を模した小容器内における正ヘプタンの着火・燃焼現象に関する実験(他大学による先実験)を標準現象として研究をすすめている.現在までに,次世代燃焼技術(着火促進)として期待される非平衡プラズマアシスト燃焼の数値解析,マイクロ燃焼現象のうち非定常的に着火・燃焼を繰り返す現象(FREI現象)の数値解析,小容器内における正ヘプタンの着火・燃焼現象を対象とした数値解析を実施してきた.コロナ禍期間中は,当初予定した海外渡航は実施不可であったものの,非平衡プラズマアシスト燃焼に関する数値的研究を進め, 2021年には非平衡プラズマによる着火効果に関する学術論文を公刊した.またFREI現象については,開発コードが良く機能し研究室内における実験を定性的再現することを確認した.この数値解析では冷炎と熱炎の干渉を包括的に解明でき,結果を原著論文として投稿済みである.さらに小容器内における正ヘプタンの着火・燃焼現象に対して実施したDNSでは,1点着火の場合に初期温度の微妙な変化(510,480,450,420K)に対して,実験によるノッキング様現象の可視化画像の全体像とが一致する結果を得ており,既に原著論文を発表した2点着火の場合に加え,初期温度依存性を解決できる目処が立っている.結果として,着火~火炎伝播~異常燃焼であるノッキングに至る過程を極めてシンプルな手段で再現できる手法の創出に成功し,こちらも2023年度に原著論文を公刊するに至った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
米国で開発されたオープンソースの超大規模数値解析ライブラリと分担者らによる化学反応計算高効率化手法を組合せたソフトウェアの開発を完了し,従来手法では事実上解析することが不可能な規模の燃焼解析を実施した.2023年度も引き続き,次世代自動車エンジンの高効率化にとって重要な課題であるノッキング現象の理解を目指し,既存の実験を検証対象とする2次元直接数値結果の解析を実施,現象全体を理解しメカニズムを説明することができる見通しを得た.ノッキングにおいて場を支配する現象の遷移について分析に成功し,原著論文の公刊を達成した.また種々の燃料を対象としたエンジン・ノック抑制に貢献する知見を得て,エンジン試験との対比も開始している.マイクロ燃焼現象における不安定振動燃焼の数値解析では,2022年度の冷炎と振動燃焼の干渉に関する原著論文に続き,冷炎と干渉しつつ進行する1点着火現象の論文が,基礎燃焼分野で最も高水準とされる国際燃焼シンポジウム(2024夏ミラノ開催)での発表原稿として採択されている(採択率50%程度).
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍中は当初計画された中期の海外滞在延期を余儀なくされたが,研究自体は極めて順調に進捗した.ソフトウェア開発も着実にすすんだ. 2022年度には,マイクロ燃焼現象における不安定振動燃焼の数値解析を実施した博士後期課程学生が,特別研究員として米国留学を実施し2024年3月に博士の学位を取得した.別予算で措置したノッキング実験,既存のマイクロ燃焼装置によるガソリン・サロゲート燃料によるFREIの実験および数値計算,ノッキング現象に関する数値計算結果分析も着実に進行し,2024年3月の時点で,再現性を確保したノッキング実験が可能となった.またマイクロ燃焼装置によるガソリン・サロゲート燃料によるFREIの実験では,特定成分の特異挙動を特定しており,メカニズムの解析中である.ノッキング現象の予測については,既実施の正ヘプタンの場合に加え,別予算で措置したノッキング実験も含めて,イソオクタンと正ヘプタンの混合燃料へとすすめる.着火から火炎伝播に至る数値計算も,サロゲート燃料や添加剤による着火性の変化に関する検討を,別予算による実験研究とともにすすめる.2024年度の海外渡航については,これまでに達成した成果の発表を3つの国際会議と国際WSで実施する. 2024年度はさらに,本研究の代表・分担者ら及び新たな国際共同研究者らとで共同研究を実施する.
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