研究課題/領域番号 |
19KK0099
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
呉 景龍 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (30294648)
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研究分担者 |
田中 高志 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (10745368)
高橋 智 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 准教授 (20236277)
金澤 右 川崎医科大学, 医学部, 教授 (20243511)
呉 瓊 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 客員研究員 (40762935)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 触覚認知脳機能 / EEG / fMRI / 認知心理学 / 触覚形状知覚 / 触覚質感知覚 / 知能ロボットハンド / 医療福祉 / 運動予測 / 触覚予測 / 知覚運動神経回路 / ワーキングメモリ / somatosensory cortex / dot-surface matching / tactile stimulus / temporal structure / 認知症 / 脳波 / fMRI / 脳波 |
研究開始時の研究の概要 |
手触りで形状・質感を知覚できるロボットハンド技術開発が21世紀の高齢化社会と製品の高品質化のために強く求められている。本研究では,代表者らが米国、中国などの研究機関に直接に出向き米国と中国の研究機関との共同研究で得た触覚脳機能と知能ロボットの研究成果を発展させて、触覚感知脳内モデルを提案して形状・質感を知覚できる知能ロボットハンドへの適用を検討する。さらに、本国際共同研究は基礎的かつ総合的研究であり、若手研究者も参画して触覚感知脳内モデルの提案と知能ロボットハンドへの適用を通じて、国際的な研究ネットワークと新学際領域の形成に貢献することを目指している。
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研究実績の概要 |
医療福祉機器の製造と高品質製品の創造において、ロボットハンド技術への要求はますます高まっている。この技術は形状と質感を触覚で感知することができ、これは21世紀の高齢化社会に対処し、製品の高品質を追求する上で極めて重要である。しかし、現在、医療福祉行動と触覚の品質評価は、医師や職人の主観的な判断と経験に依存しており、形状や質感を正確に感知できるロボットハンド技術がまだ確立されていない。 本国際共同研究では、代表者および協力者は、形状と質感を感知できる知覚モデルを構築し、知覚が可能な知能ロボットハンド技術に挑戦している。この研究は、いままで米国国立衛生研究所とアリゾナ州立大学、中国の北京理工大学、首都医科大学、中国科学院深セン先進技術研究院、蘇州科学技術大学などとの共同研究を発展させた取り組みである。 今年の研究の焦点は、行動学の実験および脳波(EEG)実験と機能的磁気共鳴画像(fMRI)実験およびこれらのデータ解析を活用し、脳解剖学研究の成果を参考にして、触覚知覚の脳内モデルを構築することである。これらの国際共同研究では、まず、高い空間分解能と時間精度の触覚実験装置を使用して、手のひらの各部位を刺激し、触覚fMRI実験専用装置の時空間双方向の方法で脳内の触覚皮質面の活動信号を測定した。次に、手の部位と脳内活動部位の間の変換プロセスを総合的な手法を用いて解析した。また、行動学実験の設計とEEG技術などとを組み合わせて、触覚知覚に関連する脳神経メカニズムモデルを構築できた。 得られた研究成果は、国際ジャーナルで6件の英語論文が発表され、国内外の学術会議で13件の発表が行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 本年度、いままで蓄積された研究成果を発展させて、そして自ら製作した高空間分解能と高時間精度の触覚実験装置を改良し、中国の北京理工大学、首都医科大学、中国科学院深セン先進技術研究院と共同で機能性磁気共鳴イメージング(fMRI)実験を設計でき、機械学習などのAI手法を用いてデータ解析と触覚知覚脳モデルの構築を精力的に推進してきた。同時に、EEG技術に基づく複数の脳神経メカニズムの研究も進展を遂げ、触覚の運動にしても感覚統合にしても、年齢や神経退行性疾患などの分野の研究についても、多くの関連研究成果が得られた。これらの研究成果は、国際ジャーナルで6件の英語論文が発表され、国内外の学術会議で13件の発表が行われた。以上の理由で、本課題はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、これまで得られた触覚認知脳機能に関する知見と応用成果に基づいて、触覚脳内モデルを提案し、形状と質感を感知できるロボットハンドへの応用を目指している。さらに、今年度の研究成果を活かして、米国、中国北京理工大学、首都医科大学、中国科学院深セン先進技術研究院、蘇州科学技術大学、京都大学などの研究機関との共同研究を推進し、共同研究の強化と若手研究者の育成に努め、国際的な研究ネットワークと新しい学際領域の形成を目指している。 具体的な研究課題としては、まず、fMRIを用いた触覚脳機能マッピング実験とデータ解析に関する国際共同研究を行い、脳解剖学と脳機能の観点からのモデル構築を共同で推進する。次に、提案された指間の距離と曲率情報が形状知覚の形成過程と、指間の能動と受動の二重触覚の行動情報が質感知覚の形成過程をどのように影響するかを調査し、形状知覚と質感知覚の関連性を明らかにする。最後に、脳内モデルの構築と知能ロボットハンドへの適用を行い、国際共同研究機関の人材資源とロボット試作・評価実験環境を活用して、知能ロボットハンドの試作・評価実験とブレインマシンインターフェースに関する研究を行う。 具体的な研究内容としては、代表者および共同研究者が取得したfMRI脳画像と脳解剖学の知見を統合し、手の部位から脳内活動部位への変換過程を探求する。さらに、脳内モデルの構築やブレインマシンインターフェース、知能ロボットハンドへの適用に関する研究を推進する。
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