研究課題/領域番号 |
19KK0106
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
甲山 治 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (70402089)
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研究分担者 |
小川 まり子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (00785719)
亀田 尭宙 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 特任助教 (10751993)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 熱帯泥炭地 / インドネシア / 火災 / 水文・気象情報 / 気象レーダー |
研究開始時の研究の概要 |
広大な未利用可耕地として世界の注目を集めている熱帯泥炭湿地の利用において,最大の課題は火災予防である.政府,企業,住民も含めて泥炭地火災の危険性を理解しているにもかかわらず発生する火災という問題の核心に迫るために,ハードおよびソフト面から様々なアプローチを行い,火災防止という成果を地域へと還元すべく,災害および水文・気象情報管理システムの構築と,スマートフォンアプリ等を通して地域社会への双方向型の情報発信を行う.
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研究実績の概要 |
2022年度の研究実績としてはカウンターパートのインドネシア国立研究革新庁Badan Riset dan Inovasi Nasional(BRIN)との協力により,気象レーダーから推定した降水量データを準リアルタイムで配信するウェブサイトを構築した(http://xbr.web.id/etalase/).現在現地カウンターパートや住民に使用してもらっており,スマートフォン用アプリケーションへの調整を行っている.またCOVID-19が緩和された2023年2月18日から23日までカウンターパート3名と日本人研究者がスマトラ島のリアウ州プカンバル市とブンカリス県へ出張し,共同で現地調査を行った. 2月19日の調査ではスンバールジャヤ村で,レーダー雨量推定の精度向上に必要なディスドロメーター(降水粒径速度分布測定)を設置し,村内の協力者へその意義を説明した.2月20日に実施した現地調査では,ブンカリス島東側のシンパンアヤム村で昨年12月に起こった地滑りの現場を村長や村の関係者と視察し,ドローン撮影を行なった.またそのほかのブンカリス滞在期間は,各測器のメンテナンスを行うとともに,測器を設置している村や大学の責任者と面会し,引き続き協力頂けることを確認できた.2月21日にはイスラム学校(STAIN)ブンカリス校にてWorkshop on the Utilization of Hydrometeorological Disaster Prevention Information for Study on Atmospheric Peat Interaction in Bengkalis and Surrounding Areasを行い,インドネシア側参加者が23名で,日本からは甲山,小川がオンラインで出席した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地カウンターパートであるBRIN,リアウ大学,ブンカリス高専,STAINブンカリス校と協力して,これまでの共同研究の成果を共有し,現地社会への還元に関して議論を行っている.ブンカリス高専からは,火災のみならず洪水に対応した泥炭地管理をともに検討している.さらに現在の水文気象防災情報を共有できる開発中のスマートフォン用アプリに,気象レーダーをさらに活用した地下水位の表現方法や,過去に実施したJICA草の根事業(2017-2021)から継続的に行ってきた水文現地調査の結果を入れることの重要性も確認された.泥炭地管理の社会的な側面では,JICA草の根事業のフォーアップ調査結果について共有された.
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今後の研究の推進方策 |
今後は水文気象防災情報アプリの改善や,以前実施したJICA草の根事業のフォーアップを実施する予定である.草の根事業実施後,泥炭地に適した林業を続けているのは5割程度であり,農業は3割程度であった.原因としては泥炭地農業(パルディカルチャー)の技術的な知識の不足が考えられ,今後の改善が必要である.
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