研究課題/領域番号 |
19KK0113
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中川 貴文 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (60414968)
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研究分担者 |
北守 顕久 大阪産業大学, 工学部, 准教授 (10551400)
小松 幸平 京都大学, 生存圏研究所, 研究員 (20283674)
五十田 博 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (40242664)
中島 昌一 国立研究開発法人建築研究所, 構造研究グループ, 主任研究員 (90734210)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 伝統建築 / 斗組 / 柔構造 / 伝統構法 |
研究開始時の研究の概要 |
本国際共同研究の研究概要は以下の6点に要約される ①日本、中国、台湾における代表的斗組の非線形挙動の把握と力学モデルの構築②柱の傾斜復元力に関する既往の力学モデルの総括と要素実験による最適モデルの抽出③日本、中国、台湾でそれぞれ異なる横架材と柱間の接合法の整理と、めり込み理論に基づく接合部の非線形力学モデルの構築④日本型架構モデルにおける屋根-斗組-柱・横架材-礎石の各要素が非線形バネで結合された柔構造モデルの構築と、数値解析による倒壊挙動の定量評価⑤中国型架構モデル:実大静的加力実験による耐力発現モデルの妥当性の検証⑥日本、台湾型架構モデル:実大振動台実験による柔構造制振モデルの妥当性の検証
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研究成果の概要 |
東アジアの伝統木造建築に共通する柱上の斗組は、多数の肘木の組み合わせによって構成され、屋根荷重を下階に伝えるための重要な構造要素である。既往の研究から制震効果があることが報告されているが、その学術的解明は十分ではない。本研究では屋根-斗組-柱・横架材-礎石等が緩やかに結合された伝統構法特有の柔構造のモデルが鉛直荷重を利用して水平荷重に抵抗するメカニズムを定量的・定性的に解明することも目的とする。静的加力実験と振動台実験による検証の結果、頭貫仕様の違いによる変形と傾斜復元力の関係を明らかにすることができた。また理論式や数値解析によって、実験結果を概ね追跡できることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東アジアの古代建築を対象とした構造力学的研究に関しては、近年東アジアで徐々に研究事例が増えてきている。その動機は大工技術等の木づかいの文化を理解し、自国の歴史的建築物を保護することにある。日本でも、五重塔など伝統構法に見られる柔構造の性質を再評価し、現代の構造へ取り入れる試みが為されている。このように、伝統建築における技術を再評価することは木づかいの文化の継承において意義深い。日本の伝統建築のルーツとも言える中国や台湾の伝統構法を現地の研究者と連携して本研究を進められたことは構造的観点だけでなく、東アジアにおける伝統建築の構法学的観点からも学術的意義は深い。
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