研究課題/領域番号 |
19KK0135
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
笹木 圭子 九州大学, 工学研究院, 教授 (30311525)
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研究分担者 |
三木 一 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10706386)
金田 隆 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (20243909)
GUO BINGLIN 九州大学, 工学研究院, 学術研究員 (60839588)
KONADU KOJO・TWUM 九州大学, 工学研究院, 学術研究員 (40873394)
Suyantara Gde・Pandhe・Wisnu 九州大学, 工学研究院, 特任助教 (70932367)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | グラファイト質金鉱石 / シアン化抽出 / チオ尿素抽出 / グラファイト化度 / バイオオキシデーション / リグニン分解酵素 / シアンフリー / チオ尿素 / 回収損失 / イオン交換樹脂 / 超難処理炭素質金鉱石 / 酵素反応 / 炭素質物質 / 低環境負荷抽出剤 / ラマン分光 / QEMSCAN / 金 / 炭化度 / QEMSCAN / バイオハイドロメタラジー / ラマン分光法 |
研究開始時の研究の概要 |
いまだに焙焼法が適用されているグラファイト質金鉱石を対象とし、マイルドなシークエンシャルバイオ処理による金回収率の向上をめざす。金回収ロスにつながる炭素の分布、金の所在とその分布、金のホスト鉱物の単体分離度、炭素のグラファイト化度などに焦点を合わせた特性化に基づき、鉄酸化菌による硫化物の分解、アルカリ洗浄、湿式粉砕、リグニンペルオキシダーゼを含む粗酵素液による芳香族炭素の分解などの工程の組み合わせを検討する。処理中間体及び最終固体残差のQEMSCAN観察を通して、Au(0)回収ロスを極限まで最小化する。QEMSCAN分析に熟練した豪州側と協働しておこなうことにより本国際共同研究を一層強化する。
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研究成果の概要 |
豪州との共同研究によって、開発対象とされていない超難処理金鉱石から高効率で金をシアン抽出する前処理法として、硫化鉱物のバイオ酸化により金粒子を単体分離させ、さらに炭素質物質をリグニン分解系酵素で分解する方法を提案した。さらに、抽出剤をチオ尿素とした場合には、硫化鉱物のバイオ酸化により金粒子を単体分離させたあとは直接強酸性条件下でほぼ完全に金を抽出できることを示した。これは抽出剤により金錯体と炭素質物質との親和性が大きく異なることに起因している。チオ尿素抽出は炭素質金鉱石にこそ向いている方法であり、金チオ尿素錯体の回収には一般的な陽イオン交換樹脂が十分な回収率を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炭素質金鉱石は、抽出損失が高いリスクがあるために、現在まで開発を断念してきていた未利用資源である。入手が難しいタイプの鉱石であるが、豪州や西アフリカの国々の協力により、1種類だけではなく、複数の産地の炭素質金鉱石を入手した。従来のシアン化法では酵素反応を利用して抽出率は改善が見られたものの、工程が煩雑で、回収率は90%を超すことは難しかった。しかし、抽出剤をチオ尿素に変えると、炭素質物質の処理は不要で、非常に簡便な方法で、数時間でほぼ完全に金を抽出できることを実証し社会的意義は大きい。その発見の背後にある学理を明らかにし、これにより抽出イオンの完全回収法も示すことができブレークスルーを導いた。
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