研究課題/領域番号 |
19KK0145
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
深瀬 浩一 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80192722)
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研究分担者 |
真鍋 良幸 大阪大学, 理学研究科, 助教 (00632093)
角永 悠一郎 大阪大学, 放射線科学基盤機構, 特任助教(常勤) (30836903)
下山 敦史 大阪大学, 理学研究科, 助教 (90625055)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 糖鎖 / 免疫 / ワクチン / 複合化 / 糖鎖合成 / 合成 / レクチン |
研究開始時の研究の概要 |
自己と非自己の認識は生体防御の根幹をなすものであり、脊椎動物においては獲得免疫と自然免疫からなる精緻な機構が自己と非自己の認識を担っている。糖鎖は細胞表層を覆っており、様々な認識に関与するため、獲得免疫と自然免疫の両方において自己と非自己の認識の鍵物質として機能している。そこで本研究では、糖鎖を利用した免疫制御法の開発を目指し、免疫制御機能を有する糖鎖の合成研究と自然免疫受容体や糖鎖認識タンパク質と糖鎖との相互作用解析研究を行う。特に、i)細菌由来糖鎖(複合糖質)の構造、合成、ならびに機能研究、ii)アスパラギン結合型糖タンパク質糖鎖(N-グリカン)の合成と機能解析研究、を実施する。
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研究実績の概要 |
申請者は、リポ多糖やペプチドグリカンなどの細菌由来複合糖質やN-グリカンなどの糖タンパク質糖鎖について、化学合成と自然免疫系における機能研究を世界的な共同研究として展開してきた。一方、Molinaro教授は、主にNMRを用いた細菌由来多糖の構造解析研究や構造生物学研究においては世界的な権威である。本研究では、これらを統合して、細胞内共生菌Alcaligenes faecalis由来リポ多糖の構造解析と合成研究を実施し、さらには自然免疫受容体TLR4/MD-2との相互作用解析研究を行う。また、合成したN-グリカンを用い、自然免疫受容体Dectin-1や免疫抑制性受容体シグレックとの相互作用解析を実施する。本研究は、両グループが共同することで初めて可能となるもので、糖鎖の機能研究を大きく飛躍させ、糖鎖や複合糖質を利用した新たな免疫制御法開発の基盤を築くものである。 共生菌は宿主と相利共生関係にあり、宿主にとっても好ましい形で免疫系を調節すると考え、細胞内共生菌Alcaligenes属由来のLPSが毒性を示さない一方で、免疫系を効率的に活性化して抗体産生を増強するなど、ワクチンアジュバントとして極めて有望であることを見出し、これを合成し、その詳細な機能解析を進めた。 一方、我々は、脾臓の樹状細胞に高発現しているDectin-1がコアフコースと相互作用し、動態を制御すると仮定した。さまざまな手法を用いて、Dectin-1がIgG上のコアフコースを認識していることを見出した。Dectin-1がコアフコース含有N-グリカンを認識することを見出したのは極めてインパクトの大きい結果である。さらにシアル酸とシグレックの相互作用解析を進めた。 これらの成果はMolinaro教授との密な共同研究の成果として得られたものである。
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