研究課題/領域番号 |
19KK0155
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
練 春蘭 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40376695)
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研究分担者 |
高野 哲夫 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30183057)
鴨下 顕彦 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (10323487)
則定 真利子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00463886)
津釜 大侑 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (10726061)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | トウジンビエ / ストレス / 遺伝子 / GWAS / 転写因子 / アブシシン酸 / インド / ストレス耐性 / バイオインフォマティクス / ゲノム / 根 / データベース / 微生物 / 栄養 |
研究開始時の研究の概要 |
トウジンビエは高い耐乾性・耐暑性・貧栄養耐性を持ち、持続的な生物生産に資するものである。本研究においては、インドの研究機関であるICRISAT及びタミルナードゥ農業大学と共同でこれらの根の構造、微生物メタゲノム、窒素利用動態を解析し、これを基にゲノムワイド関連解析を行い、それらに関連するDNA多型や遺伝子を見出し、それらの効果を検証する。また、ICRISATと共に、トウジンビエや関連作物種のゲノム情報の整備・統合・データベース化を進め、本研究で得られるデータによりこれを拡充し、研究者・育種家・農家が利用しやすいような形で公開する。これによりトウジンビエのゲノミクスの促進を図る。
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研究実績の概要 |
インドのトウジンビエ生産・育種に利用される約100のトウジンビエ系統・品種を用いて圃場試験を行い、開花までの日数、穂のコンパクトネス(握り耐性)、穂数、粒重、根量等の形質について表現型データを得た。2023年度に、トウジンビエ3系統・品種について、従前より高精度な全ゲノム配列が他の研究グループにより公開された。これらと2022・2023年度に得た表現型データを用いて改めてゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。殆どの形質に関しては、従前の全ゲノム配列を用いた場合と比べてGWASの結果に改善は見られなかったが、開花までの日数に関連する多型・ゲノム領域が新たに取得でき、その位置は2022年度と2023年度との間で整合性があった。2022年度の圃場試験とGWASの結果を基に1報の論文を発表した。 トウジンビエの乾燥ストレス耐性に関わる遺伝子の候補として、WRKY型転写因子遺伝子であるPgWRKY74に着目し、その機能を解析した。この結果、PgWRKY74がDNA結合能を持ち、シロイヌナズナに過剰発現させると高濃度マンニトール(脱水)ストレス存在下で他のストレス耐性遺伝子の発現を抑制し、地上部の生育を遅らせることが明らかになった。この結果を基に1報の論文を発表した。 自他の先行研究から得られたトウジンビエのRNAシークエンシングデータを収集・解析し、500を超えるサンプルの各遺伝子の発現量に関する情報を得て、TGIF-DBというウェブサイトにおいてそれを棒グラフとして表示できるようにした。これを基に、脱水ストレス又は塩ストレス存在下で発現が変動する遺伝子を抽出し、そのプロモーターの配列を解析した結果、それらのストレス存在下で発現を上昇させる遺伝子のプロモーターにアブシシン酸(ABA)応答エレメント(ABRE)が多く含まれることが明らかになった。これらの結果を基に2報の論文を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
表現型・GWASデータの拡充、データベース整備、遺伝子機能解析が本課題の骨子であり、いずれにおいても進展があったため。
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今後の研究の推進方策 |
補助試験・表現型データ取得・GWASを引き続き行う。上述の高精度の全ゲノム配列に基づくデータを表示できるようTGIF-DBを改修する。新型コロナウイルスの影響等から実施していなかったICRISAT訪問を実現させ、本課題の総括と今後の展開に向けての打ち合わせを行う。
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