研究課題/領域番号 |
19KK0165
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山路 永司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 名誉教授 (10143405)
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研究分担者 |
藤崎 浩幸 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (30209035)
服部 俊宏 明治大学, 農学部, 専任准教授 (10276165)
井上 果子 宮崎大学, 地域資源創成学部, 准教授 (70733129)
山下 良平 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (40515871)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 土地利用秩序 / マスタープラン / 都市農地 / 屋上緑化 / 市民農園 / 農村ツーリズム / 都市農業 / 農的活動 / 国土利用計画 / ストラクチャプラン / 農家民泊 / マレーシア / 農地利用秩序 / 東南アジア / 都市外縁 |
研究開始時の研究の概要 |
国家の繁栄は都市の発展に牽引されることが多い。都市への人口集積・産業集積・知的集積が高度経済成長を起こし、それが地方に波及してゆく。都市内および都市外縁において農地は常に開発のターゲットであり、都市計画法・農振法によるゾーニング制度にもかかわらず、無秩序に転用されることが多かった。その結果、農地としても住宅地としても不適切な配置状態となった。これは各国に共通する課題であるが、とくに拡大を続けている開発途上国の都市外縁部において顕著である。この現象および対策はわが国が既に経験してきたことであり、その経験をもとに、各国での土地利用の実態および関連する法制度の調査・研究を行い、分析・提言を加える。
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研究実績の概要 |
今年度は東南アジア各国の都市外縁部の農地利用について個別研究を進めるとともに各国の制度や実態の比較検討をおこなった。 急速に膨張するバングラデシュ国ダッカ市中心部においては農地は全く残存していない。ところが屋上を果樹園・菜園とする一般市民が多くいる。また鶏や鳩を飼う人もいる。こうした先行例を参考に、農業普及局とダッカ市庁が共同で屋上菜園事業を2019-20年におこない6000の集合住宅で菜園化が開始された。調査した4つの先行例では灌漑設備を整え有機無農薬栽培をおこなっていた。ダッカ市縁辺部では、農業を継続する農村・農民団体が若干ながら残っている。北東部の農村では三毛作をおこなっているが工場排水による農業用水の汚染が問題となっている。南東部の農村でも近年進出してきた工場によって大気汚染が起こり品質低下を招いている。 経済成長を続けるベトナム国にあって、首都ハノイには新たな工業団地、住宅団地の需要が発生し、土地利用も大きく変貌している。ハノイ市郊外の各地域における地域土地利用計画の立案過程を聞き取った上で、開発事業によって農地が消滅した地域、残された農地で生産性の高い農業を展開する地域、将来的にも残ると見込まれる農地において圃場整備をおこなう地域をそれぞれ現地で確認した。 都市化の進展・拡大のためには、未利用地の利用・水面の埋め立てを除くと農地転用が不可欠である。クアラルンプール市やソウル市はほぼ全域が、ハノイ市では地域ごとにそうした土地利用転換がおこなわれていた。全域が住宅地となった代わりに、ベランダ菜園(ソウル市)、屋上農園(ダッカ市)、公園内農園(クアラルンプール市)という対応も見られた。都市化の拡大による負の影響(ダッカ市)がある一方、都市近郊という利点を活かして、高収益農産物へのシフトも見られた(ハノイ市)。いずれも都市化の正負の影響に農業・農地利用が対応していた。
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