研究課題/領域番号 |
19KK0175
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
福本 晋也 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (50376422)
|
研究分担者 |
茅野 光範 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (20590095)
曽賀 晃 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 共同研究員 (20838734)
白水 貴大 藤田医科大学, 病態モデル先端医学研究センター, 助教 (80804608)
|
研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | イヌ糸状虫 / ヤブカ / 犬糸状虫 / ベクター |
研究開始時の研究の概要 |
蚊は病原体の媒介者として、人類に最も脅威を与えている生物(Top Deadliest Animal)である。殺虫剤耐性、生態系への影響などへの問題から、殺虫剤による蚊の撲滅は困難である。そこで近年、病原体を媒介しない蚊へと置換することで、感染症を制圧できないかとの概念が浮上してきた。近年のゲノム編集技術の進歩により、病原体を媒介しない蚊の実現が技術的に可能になってきた。そこで本研究では、犬糸状虫を媒介しない蚊の作出実現にむけた基礎的知見を得るために、タイ王国で犬と蚊における犬糸状虫症疫学調査を行い、どのような遺伝子応答が蚊による犬糸状虫の媒介に重要なのかフィールドレベルで解析を行う。
|
研究実績の概要 |
本研究計画では対フィールドサンプルの解析により、フィラリアを媒介しない蚊の作出を目指し研究を行う。現在までの研究においてタイフィールドサンプ ルの ネッタイシマカから遺伝学的手法を用いて、犬糸状虫を媒介する系統と媒介しない系統を分離する方法の確立に成功した。またこれらの系統をゲノムレベ ルで比較するため次世代シーケンサーを用いたGRAS-Di解析を行ったが、フィールド由来サンプルを用いたことによる遺伝的多様性のためにマスクされ、犬糸状虫感染性に対する表現型に対し解像度を高く有意な差異を検出することはできなかった。そこでこの遺伝的バックグラウンドの多様性に起因するマスクの問題を解決するため、 媒介系統・非媒介系統を兄妹交配することで、犬糸状虫媒介性・非媒介性 ネッタイシマカ近交系の樹立を試みた。5-7世代の近交化を行い、繁殖性と感染表現型 の評価を行ない、正常な繁殖能力を維持 していること、犬糸状虫に対する感染表現型を正しく遺伝していることが確認された。さらに解析改造度を上げるため、さらなる近交化を行い、QTL解析に供することを計画したが、突如近交化コロニーがリーサルとなり、継代が困難化した。再度近交化系統の樹立を試みるとともに、QTL解析の実施に持ち込みたい。タイ王国チェンマイ地方で約400検 体のヤブカ幼虫を採集、DNAを抽出保存したサンプルについて、 GRAS-DI・QTL-Seq解析の結果をもとにフィールド蚊のジェノタイピングを行った。また、フィールド由来イヌ糸状虫抵抗性蚊が、人で問題となるマレー糸状虫およびパハン糸状虫に対しても感染抵抗性を有することが明らかとなり、イヌ糸状虫感染表現型による蚊のスクリーニングと遺伝学的表現型固定により汎フィラリア抵抗性蚊の樹立が可能なことが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
解析を予定していた近交化系統のリーサル化により、ゲノム解析が困難となったため。
|
今後の研究の推進方策 |
再度の近交系樹立を試みるが、並行して、実験室系統の蚊のデータを外挿しゲノムの比較解析を尾籠なる手法についても検討する。
|