研究課題/領域番号 |
19KK0182
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石野 史敏 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 非常勤講師 (60159754)
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研究分担者 |
志浦 寛相 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (10451907)
石野 知子 (金児知子) 東海大学, 医学部, 客員教授 (20221757)
鈴木 俊介 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (30431951)
北澤 萌恵 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (40801965)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 哺乳類 / 胎生進化 / 有袋類 / 胎盤 / PEG10 / 獲得遺伝子 / レトロウイルス / iPS細胞 / TS細胞 / 胎盤形成と母子免疫 / 哺乳類の胎盤進化 / 有袋類の胎盤形成 / PEG10の機能 / LTRレトロトランスポゾン / 母子免疫反応 / 脳機能 / 有袋類の胎盤 / 有袋類でのKO動物作製 / 胎盤形成 / 母子免疫寛容 / KOダナート / 哺乳類進化 / 哺乳類の個体発生 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトを含む哺乳類が胎生という生殖機構を獲得するには胎盤という新たな臓器を獲得することが必要であった。このような声色学・生理学上の大きな変化を伴う事象が、どのように可能になったのかを遺伝子レベルで解明する。対象とする遺伝子は、胎生を獲得した真獣類と有袋類にのみ新たに獲得された遺伝子であるPEG10である。申請者らは、PEG10が胎盤形成に必須の機能を持つことをマウスを用いたノックアウト実験で証明したが、今回、オーストラリアに生息する有袋類において同様にノックアウト個体の作製により胎盤機能における重要性を証明し、PEG10の獲得が、胎盤の獲得および胎生の起源に繋がったことを証明する。
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研究成果の概要 |
哺乳類の胎生の起源を明らかにするために、有袋類の胎盤におけるPEG10の役割を解析した。PEG10は有袋類と真獣類の共通祖先でレトロウイルスから獲得された遺伝子で、真獣類では初期胎盤形成に必須の遺伝子である。有袋類は卵黄嚢胎盤を持つが、PEG10は、胎盤のトロホブラスト細胞より内胚葉細胞でより強く発現をしていることが明らかになった。有袋類の内胚葉細胞は真獣類のトロホブラスト細胞と同じ位置関係にあることから、この位置関係がPEG10昨日の発揮に重要であると考えられた。また、有袋類のiPS細胞からiTS細胞樹立を試み良い候補細胞株を得て、詳細を解析中である。これから胎盤分化を解析する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者らは、胎盤形成に必須なPEG10はレトロウイルス由来であり、哺乳類の進化にウイルスが重要な役割を果たしたことを明らかにしている。今回、形態的に異なる有袋類胎盤で、PEG10がサイトケラチンとともに内胚葉細胞で発現することを明らかにし、真獣類と有袋類の胎盤進化の違いと共通性を見出すことができた。この哺乳類における胎盤の進化が、どのように起きたのか、それをゲノム科学、分子生物学的に明らかにする試みは、私たちヒトの起源の一部であり、これを明らかにすることの学術的および社会的意義は高い。
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