研究課題/領域番号 |
19KK0184
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河田 雅圭 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90204734)
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研究分担者 |
赤司 寛志 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 研究員 (00808644)
牧野 能士 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20443442)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 温度適応 / アノールトカゲ / ニッチシフト / ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
アノールトカゲを対象に、温度ニッチシフトの進化機構の解明をめざす。 (1)キューバにおいて開放高温環境に生息するAnolis sagreiが森林内の低温環境に侵入している集団を調査対象として、異なる温度生息地への適応進化に関連している遺伝的変異を検出する[L. Diaz博士との共同]。(2) D. Menke博士との共同で、遺伝子編集による候補遺伝子の機能解析技術を確立する。(3) Tulane大学で、重要な候補遺伝子について遺伝子編集による効果を確認する。 [A. Gunderson博士との共同]。これらの研究を通じて、温度ニッチシフトを可能にした進化機構を解明する。
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研究成果の概要 |
アノールトカゲを用いて異なる温度環境へのニッチシフトに関連する遺伝的基盤の解明を目的とした。高温開放環境および森林低温環境に生息する6種のゲノム配列を決定し、ゲノム解析比較による温度適応に関わる遺伝子の検出を試みた。ゲノム解析の結果、高温環境に生息する種は、遺伝子重複率が高いことが示された。また、高温開放種および森林低温種において保存および加速進化しているゲノム領域を検出した。その結果、概日リズム、視覚形成に関わると予測される遺伝子、脂質代謝に関連する遺伝子が検出された。また、遺伝子発現解析から低温嗜好性を持つ種において、他種に比べて高いTRPV1発現量を維持していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温度ニッチシフト機構の解明は、温度環境への適応放散による種多様化機構と温度環境変化への生物の進化的反応の可能性を考える上で大きな意義を持つ。特に、近年温暖化の影響で、外温性脊椎動物である爬虫類の絶滅リスクの増大が危惧されている。本研究の成果は、温度適応に関わる遺伝的基盤を解明することで、どのような遺伝的基盤をもつ種が温度上昇に対して脆弱なのかを特定するための情報を提供する。それにより爬虫類の保全に寄与することが期待される。
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