研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
自分自身を変えずに異なる食物を消化する能力の基盤を解明するため、野生大型類人猿3種の糞を用いた試験管内発酵試験と腸内細菌の遺伝子解析を行い、食物の質の低い東南アジア(ボルネオ)のオランウータンでは、アフリカ(ガボン)のゴリラ・チンパンジーよりも、腸内細菌による高繊維食物の発酵能力が高いこと、同所的チンパンジーに比べ、葉食傾向の強いゴリラが、腸内細菌による高繊維食物の発酵能力が高いかを検証する。
新型コロナウイルス感染症の流行のため、野生大型類人猿の調査を延期していたが、本年度は海外渡航が再開され、まずマレーシアでの野生オランウータンの調査を、10月、11月、12月に実施した。予備調査やマレーシアサバ大学の共同研究者との打ち合わせを経て、ダナムバレー保護区での野外調査を実施し、9頭のオランウータンについて、新鮮な糞便試料を採取し、試験管内発酵実験を行った。得られた遺伝子試料および発酵産物については、マレーシアサバ大学に保管し、今後、遺伝子解析および短鎖脂肪酸の解析を行う予定である。
3: やや遅れている
野生オランウータンを対象とした野外調査は行うことができたが、全体としては、新型コロナウイルス感染症のために2年間のほぼ完全な停滞を余儀なくされており、当初予定したように、2022年度で研究を完了させることはできなかった。
ガボンでの野生ゴリラ・チンパンジーを対象とした野外調査と試験管内消化実験を実施する。野生オランウータンの野外調査で得られた試料を分析する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 11件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 3件) 備考 (3件)
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