研究課題/領域番号 |
19KK0189
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
湯本 貴和 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70192804)
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研究分担者 |
佐藤 駿 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 日本学術振興会特別研究員(PD) (30845821)
幸島 司郎 京都大学, 野生動物研究センター, 名誉教授 (60183802)
山中 裕樹 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (60455227)
村松 大輔 奈良教育大学, 自然環境教育センター, 特任准教授 (80635417)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | アマゾン川 / 浸水林 / 水域ー陸域インターフェイス / 生物間相互作用 / 熱帯雨林 / 環境DNA / カワスズメ科魚類 / 霊長類 / アマゾン / 絶滅危惧種 / ブラジル / 水域ーと陸域インターフェイス |
研究開始時の研究の概要 |
世界最大の熱帯雨林・アマゾン森林の最大の特徴は河川との強い結びつきである。本研究では森と川とのインターフェイスとなっている浸水林を対象に、1)浸水林と周辺植生の構造、2)陸棲哺乳類と鳥類および3)水棲哺乳類と大型・中型魚類の季節的な生息域利用の変化とその生態的機能を明らかにする。浸水林は絶滅危惧種の宝庫であるにもかかわらず、地形が複雑で透明度の低い河川環境のため、研究が進んでいなかった。本研究では、アマゾナス州マナウス市近郊の浸水林に新設された調査基地において、ドローンやビデオトラップ、バイオロギング、環境 DNA 分析などの日本の先端技術を駆使する。
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研究成果の概要 |
コロナ禍で調査地であるブラジルへの渡航は一度もできなかった。しかし、これまでの蓄積や実験室での研究で以下のようなことがわかった。ノドジロミユビナマケモノにデータロガーを装着した結果、体温は気温と共に変化していたが、心拍数は体重から想定される値の1/3程度でエネルギー消費を極端に抑えたままで体温を高く維持したことが示唆された。高水位期に浸水林に侵入するカワスズメ科魚類であるブルーディスカスの粘膜給餌行動における、親子間の栄養循環を実験水槽で調べ、親の粘膜・稚魚の餌であるプランクトン・稚魚の安定同位体解析を行った。また水中での環境DNAから魚種の組成だけではなく、バイオマスを推定する実験を重ねた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アマゾン川流域は、生物多様性の宝庫であると同時に大きな炭素貯蔵量で地球環境に大きな影響を与えている。他の熱帯雨林と比較して、アマゾンに特徴的なのは低水位期と高水位期の水位の差であり、高水位期には水域から生物あるいは非生物が陸域に流入することで、陸域の高い生産性を保っている。この特異的な生態系における生物間相互関係を理解することは、当該地域の生物多様性を保全し、大きな炭素貯蔵量を維持することに直結する。
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