研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
我々は、従来から1つのプリオンと考えられていた致死性家族性不眠症(FFI)の日本の家系において、全く異なる臨床像を示す剖検例から感染実験を行い、世界で初めて2つのプリオンが存在することを突き止めた。さらに、FFIの孤発性症例でも解析を行ったところ、従来孤発性致死性不眠症と診断されていた症例でも同じく2つのプリオンが存在し、ある症例では2つのプリオンが同一脳に混在することを証明した。我々と世界で初めてFFIの家系を報告したイタリアとの共同研究によって、感染性にもとづく新しいプリオン病の分類を提唱することが本研究の目標である。
我々は、致死性家族性不眠症(FFI)で見つけたM2C(sv)プリオンが、イタリアのFFI家系でも、ヨーロッパの視床型クロイツフェルト・ヤコブ病患者でも存在することをこの国際共同研究によって明らかにした。さらに、国内の剖検症例で検討するとM2C(sv)プリオンが、視床型以外の孤発性プリオン病で広く見つかることを確認した。さらに、予想外の進展として、従来から報告されているM2Cプリオン、我々の新しい分類法ではM2C(lv)プリオンと新しく見出したM2C(sv)プリオンは感染実験により感染性が異なることを初めて見出した。
本研究は、我々の見出したM2C(sv)プリオンがわが国だけでなく、ヨーロッパ特にイタリアのオリジナルなFFI家系でも確認されるという当初の目標を達成しただけでなく、新しいプリオンが、広く孤発性プリオン病にも認められることを証明した。さらに、従来の皮質型プリオンとは異なる感染性を示すことを初めて証明した研究である。よって従来の皮質型のプリオンをM2C(lv)プリオンと呼び、新しい皮質型のプリオンをM2C(sv)と呼ぶことを提唱した。このlvはlarge vacuoleの略であり、svはsmall vacuoleの略である。
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