研究課題/領域番号 |
19KK0214
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山中 宏二 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80446533)
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研究分担者 |
渡邊 征爾 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (70633577)
祖父江 顕 名古屋大学, 環境医学研究所, 特任助教 (80823343)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / 構造生物学 / 筋萎縮性側索硬化症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、英国リバプール大学の構造生物学研究チームと共同で病因タンパク質の構造生物学的知見に基づいた筋萎縮性側索硬化症(ALS)の分子病態解明と新規治療法の開発を目指す。具体的に、2種類のALS原因タンパク質SOD1、TDP-43に着目し、SOD1については、その立体構造を安定化することにより疾患の進行を抑制する化合物の開発を行う。TDP-43については、ALSで見られる病理像の鍵となるTDP-43タンパク質の構造異常を英国チームと共同で解析する。本国際共同研究を通じて、新たな視点でのALSの病態解明、治療法開発や、異分野を俯瞰する国際的に視野の広い若手研究者の育成が期待される。
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研究実績の概要 |
今年度は、以下の2つの研究計画を英国リバプール大学との国際共同研究により実施した。 1) ALS原因蛋白質SOD1の立体構造を安定化させて疾患の進行を抑制する化合物の開発: 二量体として存在するSOD1はALS疾患変異の導入によりその構造異常を来すことが知られている。英国チームは,低分子化合物エブセレンを構造展開してより良い候補化合物を複数合成することに成功している。本邦チームは,変異SOD1を発現した神経培養細胞を用いて,一部のエブセレン類縁化合物が変異タンパク質による神経毒性に対する軽減効果を発揮することを見出した。その効果は,エブセレンやALS治療薬であるエダラボンよりも神経保護効果が高かった。さらに,SOD1G93Aマウスに対するエブセレン誘導体の神経保護効果を検討した。エブセレン誘導体の慢性経口投与は,遺伝性ALSモデルマウスの発症時期を有意に遅延させ,神経筋接合部の脱神経所見の改善や脊髄における変異SOD1オリゴマーの蓄積の軽減を認めた。これらの研究結果を,英国チームと共同で論文に纏めて投稿中である。必要に応じて追加実験を行う計画である。 2) 単量体TDP-43の分子の生物物理学的性状解析と立体構造解析: 本邦チームは,TDP-43の単量体化によりALSに特徴的なTDP-43病理である,タンパク質の局在異常とリン酸化TDP-43の異常凝集が惹起されることを見出している。今年度は,この単量体型TDP-43タンパク質の機能解析と単量体化メカニズムについて検討を続けている。さらに,TDP-43の多量体化の低下,つまり単量体化の亢進が孤発性ALSの脳・脊髄組織で認められることや,そのTDP-43病理形成における分子メカニズムについて明らかにした。これらの成果を論文にまとめ投稿している。 今年度も,Web会議等によって共同研究に関して継続的に打合わせを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の蔓延により英国への渡航が延期になったため,一部の実験計画は遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
双方の研究チームがWeb会議等によって密に連携して、各チームの担当課題を進めるように努める。また,次年度以降,往来を再開して,相互に研究交流が再開できるように努める。ただし,COVID-19による当該国の感染状況悪化や大学の活動制限が再度発生した場合には研究計画の変更を検討する。
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