研究課題/領域番号 |
19KK0220
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
金子 修 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50325370)
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研究分担者 |
高橋 健介 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40567294)
坂口 美亜子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (50400651)
ギタカ ジェッセ・ジヒア 長崎大学, 熱帯医学研究所, 客員准教授 (70829861)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | マラリア / 薬剤耐性 / 分子機序 / アルテミシニン |
研究開始時の研究の概要 |
第一線抗マラリア薬のアルテミシニンに対して、東南アジアでK13と呼ばれる遺伝子の変異による耐性熱帯熱マラリア原虫が出現した。一方、アフリカではK13の変異がないにもかかわらず、アルテミシニン耐性を示すマラリアが最近報告された。本研究では、未だ明らかでないK13非依存性アフリカ型アルテミシニン耐性のマラリア原虫における決定遺伝子を同定する事を目的とする。目的達成のために、ケニアにてアルテミシニン臨床耐性調査を行い、耐性を示した患者から耐性型K13変異がないアルテミシニン耐性原虫を分離し、感受性株との交配による連鎖解析を行う。
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研究実績の概要 |
第一線抗マラリア薬のアルテミシニンに対して、東南アジアでK13と呼ばれる遺伝子の変異による耐性熱帯熱マラリア原虫が出現した。一方、アフリカでは東南アジア型K13耐性変異がないにもかかわらず、アルテミシニン耐性を示すマラリアが2014年に報告された。そこで、本研究では、未だ明らかでないアフリカ型アルテミシニン耐性のマラリア原虫における決定遺伝子を同定する事を目的とした。目的達成のために、ケニアにてアルテミシニン臨床耐性調査を行い、耐性を示した患者から東南アジア型K13耐性変異がないアルテミシニン耐性原虫を分離し、感受性株との交配による連鎖解析を行う計画とした。 日本側研究者がケニアへ渡航できるようになったため、2022年7月に研究分担者1名と研究協力者1名がブシアを訪問した。本研究では当初は4年間でアルテミシニン臨床耐性例を8~16症例前後見出すために、年間100~200症例、4年間で合計400~800症例を対象とする予定としていたが、最初の3年間に調査をすることができなかったため、研究協力者が1か月間滞在し調査に従事した後も、海外共同研究者チームに調査の継続を依頼し、最終的に503症例の血液試料を収集することができた。これらの血液試料は海外共同研究者の研究機関にて超低温冷凍庫に保管され、解析を待つ状態である。アルテミシニン投与前と投与24時間後の原虫赤血球寄生率を比較したところ、投与翌日に寄生率が20%以下にならない例を複数見出した。通常はアルテミシニン投与24時間後には寄生率は投与前の10%以下になるので、見出した症例はアルテミシニン臨床耐性である可能性が高い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度にはケニアにおけるアルテミシニン臨床耐性調査を行うことができ、アルテミシニン臨床耐性を示唆する原虫を含む血液試料を収集することができたが、過去数年間の渡航制限措置により、当初の予定より遅れていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
ケニアにてアルテミシニン臨床耐性の可能性のある患者の血液試料を得ることができたため、これらの試料の培養株化と日本への輸送、耐性の責任遺伝子の同定の研究を進める。
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