研究課題/領域番号 |
19KK0222
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
伊川 友活 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (60450392)
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研究分担者 |
高野 淳一朗 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 特別研究員 (00852162)
磯田 健志 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (80815225)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 非コードRNA / T細胞分化 / 胸腺 / エピジェネティクス / 転写因子 / 白血病 / 転写制御 / がん化 |
研究開始時の研究の概要 |
T細胞は感染防御だけでなく、がん、アレルギー、生活習慣病など多くの疾患に関わる。T細胞がその機能を発揮するためには分化過程において細胞の運命が厳格に制御されなければならない。これは様々な転写調節因子によって制御されているが、詳細は明らかでない。申請者らは以前、転写因子Bcl11bがT細胞分化に必須であることを報告した。さらにBcl11bのエンハンサー領域から転写される非コードRNA(ThymoD)を発見し、これがT細胞の運命制御に重要であることを示した。ThymoD欠損マウスではT細胞性白血病を発症する。そこで本研究では、ThymoDによるT細胞分化および白血病抑制機構を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
ノンコーディングRNAは様々な生命現象に関わるが詳細は明らかでない。我々はノンコーティングRNAの1つであるThymoDに着目した。ThymoD欠損マウス骨髄から作製したiLS細胞を用いて、ThymoDが転写因子Bcl11bの発現を制御することによりT細胞分化を促進することが明らかとなった。また、ヒト正常T細胞や白血病細胞株において、ヒトThymoD-BCL11B領域を世界で初めて同定し、ThymoDの転写がBcl11bの発現を制御することを示唆する結果を得た。したがって、マウスだけでなくヒトにおいてもThymoD-BCL11BがT細胞の正常な分化や腫瘍化に関わることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は機能が不明なノンコーティングRNA(ThymoD)に着目し、ThymoDのT細胞分化における役割を解析した。その結果、ThymoDがT細胞の分化や腫瘍化に重要であることが明らかとなった。また、ThymoDはヒト正常T細胞やT細胞性白血病細胞にも発現し機能的であることを世界で初めて発見した。これにより、ThymoDを標的とした白血病の新規治療法の開発に結びつくことが期待される。
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