研究課題/領域番号 |
19KK0224
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
川本 英嗣 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (20577415)
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研究分担者 |
亀井 政孝 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (60443503)
赤間 悠一 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (40763313)
中森 裕毅 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (80815994)
池尻 薫 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90813014)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ミオカイン / イリシン / インテグリン / エキソソーム / PICS / 細胞接着アッセイ / 細胞外小胞 / エクソソーム / インテグリンαLβ2 / 細胞接着 / インテグリンα4β7 / インテグリンα4β1 / インテグリンα5β1 / 骨格筋エキソソーム / マイオカイン / マイオソーム / 敗血症 / ICU-AW / fMRI / miRNA / 敗血症関連脳症 |
研究開始時の研究の概要 |
感染症に対する免疫系反応の制御不能による多臓器不全である敗血症(Sepsis)は世界で年間数百万人が罹患し、そのうち4人に1人以上が死亡する.敗血症による中枢神経機能障害である敗血症関連脳症(Sepsis-Associated Encephalopathy)は重要な生命予後不良因子であるが、その病態機序は不明である。 本研究では運動器官である骨格筋の“隠れた機能である内分泌能”を介した中枢神経系制御メカニズム「骨格筋-脳コミュニケーション」に着目し、敗血症関連脳症の病態を解明かつ新規治療標的を同定する。
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研究実績の概要 |
骨格筋は運動・骨格筋としての機能だけでなく、内分泌機能を有する臓器として機能している。骨格筋から放出されるミオカインであるイリシンは、近年、間葉系細胞に発現するインテグリンαVβ5、αVβ1、α5β1のリガンドとして働き、骨、骨格筋、脂肪組織の代謝リモデリングに重要な役割を果たすことが分かってきた。現在まで慢性炎症におけるイリシンの免疫調節作用は報告されているが、リンパ球系インテグリンとの相互作用はまだ解明されていない。 我々は、イリシンがヒトおよびマウスのリンパ球の細胞接着をサポートすることを明らかにしてきた。また、インテグリンに対する阻害抗体のパネルを用いた細胞接着アッセイにより、イリシンを介したリンパ球の接着には、α4β1、α5β1だけでなく、白血球特異的なαLβ2やα4β7を含む複数のインテグリンが関与することを示した。β1インテグリンを発現しないマウスリンパ球系TK-1細胞は、αLβ2およびα4β7を介したイリシンへの細胞接着を示した。 さらに、イリシンは精製したリコンビナントインテグリンαLβ2およびα4β7タンパク質と結合することを証明した。 以上よりイリシンはインテグリンαLβ2およびα4β7に対する新規なリガンドであり、β1インテグリンとは独立してリンパ球の細胞接着をサポートすることが可能であると考えられた。これらの結果は、イリシンが炎症を起こした血管系において、リンパ球の接着と移動を制御する重要な役割を担っている可能性を示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イリシンがインテグリンαLβ2およびα4β7に対する新規なリガンドであり、β1インテグリンとは独立してリンパ球の細胞接着をサポートすることが可能であることを示した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続きエキソソーム上のイリシンと血管内皮細胞とのインターラクションを解析予定。
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