研究課題/領域番号 |
19KK0233
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
茶谷 昌宏 昭和大学, 歯学部, 講師 (80628628)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ゼブラフィッシュ / メダカ / 骨 / 血管 / 心臓 / メカニカルストレス / 器官形成 |
研究開始時の研究の概要 |
人が宇宙に行くと骨量減少、筋量減少、心機能低下など様々な障害が発生する。これは重力が無くなることで体内の器官に働いていたメカニカルストレスに変化が生じ、器官の恒常性維持機構が破綻したためと考えられるが、詳細なメカニズムはまだわかっていない。申請者らはメダカの骨研究モデルを用いた国際宇宙ステーション飼育研究の経験を活かし、小型魚類におけるメカニカルストレス応答能を有する器官形成機構の一端を解明する。そのため申請者はマックス・プランク心臓肺研究所所長のDr. Stainierと共同研究を行い、ゼブラフィッシュまたはメダカの遺伝子改変体を駆使したメカニカルストレス応答器官の研究を遂行する。
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研究実績の概要 |
生体内ではメカニカルストレスが絶えず生じており、正常な器官の活動には欠かせない存在である。骨、心臓、血管はメカニカルストレスの影響を直接的に受ける器官の代表例であり、これらの器官形成メカニズムを調べることは、メカニカルストレス受容機構の解明につながる。 近年、血管細胞と造血細胞の両方を調節する未知遺伝子として転写因子のnpas4lがゼブラフィッシュの研究により同定された。このnpas4l欠損ゼブラフィッシュ胚と野生型ゼブラフィッシュ胚を用いて同発生期における網羅的遺伝子発現解析を行ったところ、ある特定の遺伝子ファミリーの遺伝子発現レベルが顕著に向上する新しい細胞集団を見出した。 npas4l遺伝子の機能をさらに詳細に調べるため、同じ小型魚類に属するメダカのnpas4l遺伝子を同定し、npas4l欠損メダカを作製した。このメダカ変異体の表現型はゼブラフィッシュの表現型に基本的な部分で類似している部分が多く、現在、骨関連遺伝子改変メダカ系統と掛け合わせてnpas4lの機能を解析する準備を続けている。 さらに、ゼブラフィッシュとメダカのそれぞれの心臓における損傷の再生能の違いについて遺伝子発現レベルの解析を行っている。その結果、ある特定の遺伝子ファミリーの遺伝子発現レベルで違いが見られており、現在詳細な解析を検討している。 ゼブラフィッシュとメダカの生物間の遺伝子発現レベルや細胞挙動の相違を調べ、造血・血管・骨の形成メカニズムの解明を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で海外への渡航が遅れている。今年に渡航予定であり、これまでに行ってきた解析をさらに進める予定である。npas4l ゼブラフィッシュ変異体で遺伝子発現レベルが高い新たな細胞集団を見出した。npas4lメダカ変異体を新たに作製、維持しており、骨関連遺伝子改変メダカを利用して解析する。ゼブラフィッシュとメダカの相違を調べ、npas4lの新機能解明を目指している。心臓再生現象についても解析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
npas4lメダカ変異体と野生型メダカとの網羅的遺伝子発現解析を行い、ゼブラフィッシュと比較する。遺伝子改変メダカを用いて細胞を蛍光標識し、細胞の動態を詳しく解析することで、npas4l変異体の表現型を調べる。npas4lゼブラフィッシュ変異体とnpas4lメダカ変異体を詳細に比較し、2生物間の表現型の相違から、npas4lの機能を明らかにする。心臓再生現象についても解析を進める。造血と血管形成、さらには骨の形成メカニズムの解明を目指す。
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