研究課題/領域番号 |
19KK0235
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
林 邦彦 群馬大学, その他部局等, 理事 (80282408)
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研究分担者 |
李 廷秀 東京医療保健大学, 医療保健学研究科, 教授 (60292728)
井手野 由季 群馬大学, 数理データ科学教育研究センター, 准教授 (60616324)
長井 万恵 群馬大学, 数理データ科学教育研究センター, 准教授 (90760067)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 女性の健康 / ライフコース・アプローチ / 日本ナースヘルス研究 / 国際クロス・コホート研究 |
研究開始時の研究の概要 |
日本ナースヘルス研究(JNHS)は,これまでコホート登録時の断面調査データをInterLACEに提供してきたが,本国際共同研究では,登録後10年間のJNHS追跡データを追加提供することで,新たな世界規模の統合データを共同で作成する。そして,JNHS研究者がInterLACEデータセンターに出向き,心血管疾患・婦人科癌の発症に関連する生活保健習慣および生殖機能関連のリスク因子について,ライフコース疫学的な解析を行い検討する。また,3つのグループ(本邦女性,欧米豪に在住の日系女性・アジア系女性,その他の欧米豪の女性)の比較から,本邦女性やアジア系女性の健康における環境要因の影響の大きさを評価する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、世界規模の女性コホート研究コンソーシアム「生殖関連機能事象と慢性疾患イベントに対するライフコース・アプローチの国際共同研究(InterLACE)」に「日本ナースヘルス研究(JNHS)」の長期観察データを追加提供し、新たな世界規模の前向き観察データを日豪共同で作成する。そして、閉経までの心血管疾患、婦人科癌の発症・死亡に関連する生活保健習慣および生殖機能関連のリスク因子について、ライフコース疫学的な解析を行い、3つのグループ(①本邦女性、②欧米豪在住日系女性・アジア系女性、③その他の欧米豪女性)の比較を行う。そのことにより、特に、本邦女性・アジア女性の視点から、更年期症状・心血管疾患・婦人科癌の発症に影響する要因を特定して、人種・遺伝的要因、生活保健習慣等の環境的因子、またそれらの相互作用の大きさを明らかにし、女性の健康に寄与する有益な知見を得ることを目的とする。 令和4年度は、JNHS研究者(日本側研究者)が豪州へ渡航し、クイーンズランド大学内のInterLACEデータセンターにて、日豪共同でデータ解析および論文化作業を行った。井手野は、自然閉経年齢の人種・民族の差について、分布に注目し、有限混合モデルを用いた解析を行い、論文作成中である。長井は、InterLACEにおけるデータの固定状況を鑑み、当初予定していた癌の発症の検討ではなく、糖尿病発症の人種・民族の差について検討することとした。糖尿病の発症について、BMIカテゴリ別の生存時間解析を行い論文作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度から令和4年度第2四半期まで、新型コロナウイルス感染症による渡航制限や豪州への入国制限、クイーンズランド大学立ち入り制限措置などがあったため、クイーンズランド大学内のInterLACEデータセンターでの日豪共同作業が行えず、計画よりもやや遅れている。 令和4年度第3四半期にようやく渡航制限などが緩和されたため、第3および第4四半期にJNHS研究者(日本側研究者)が豪州へ渡航し、InterLACEデータセンターで豪州側研究者と共にデータ解析および論文化作業を行った。 <令和4年度の計画と進捗> ・林邦彦および李廷秀:豪州へ1週間程度渡航し、若手研究者の指導とInterLACEーJNHS Joint Seminarの開催予定であったが、林が2023年1月に豪州へ渡航し、今後の研究の推進方策およびスケジュールの打ち合わせとクイーンズランド大学の若手研究者の指導を行った。 ・井手野由季および長井万恵:2022年11月末に1週間渡航し、最終的な解析計画を含む研究計画をInterLACEデータセンターの豪州側研究者と共同で立案した。その際、本課題の申請時に長井の担当であった婦人科系がんの発生については、データの収集状況が研究ごとに大きく異なり、現状では人種・民族の比較が難しいことが判明したため、長井の課題を糖尿病発症とした。帰国後2ヶ月の間に、豪州側研究者と連携しつつ、データ解析のための準備を行い、2023年2月に豪州へ1ヶ月間渡航し、データ解析および論文化の日豪共同作業を行った。予定では2ヶ月の渡航であったが、実質的には日本国内での解析準備期間を含め3ヶ月を日豪共同作業に費やした。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、下記の通りJNHS研究者(日本側研究者)が豪州へ渡航し、クイーンズランド大学内のInterLACEデータセンターにて、日豪共同でデータ解析、論文化作業および成果発表を行う。 <令和5年度の渡航予定> ・林邦彦および李廷秀:豪州へ1週間程度渡航し、若手研究者の指導、InterLACEーJNHS Joint Seminarの開催を行う。 ・井手野由季:豪州へ延べ2ヶ月程度渡航し、日豪共同で令和4年度に引き続き、閉経年齢に関する課題の論文化を行う。また、閉経関連課題について新たな解析計画を日豪で共同立案し、データ解析・論文化を目指す。また、InterLACE-JNHS Joint Seminarで成果発表を行う。 ・長井万恵:豪州へ延べ2ヶ月程度渡航し、引き続き、令和4年度の課題の論文化を行い、関連課題への展望を確認する。InterLACE内データ固定が終了次第、日豪共同で尿失禁および片頭痛のデータ解析計画を日豪で共同立案し、データ解析・論文化を目指す。また、InterLACE-JNHS Joint Seminarで成果発表を行う。
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