研究課題/領域番号 |
19KK0236
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉田 直子 金沢大学, AIホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センター(薬), 助教 (20565428)
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研究分担者 |
Rahman Mohammad 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任助教 (50836369)
小出 達夫 国立医薬品食品衛生研究所, 薬品部, 室長 (40321856)
坪井 宏仁 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (20319338)
木村 和子 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (80324094)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 偽造医薬品 / 低品質医薬品 / 低品質薬・偽造薬検出法 / ケミカルイメージング / 溶出試験 / ラマン散乱分析 / 蛍光指紋分析 / 低品質薬 / 品質不良医薬品 |
研究開始時の研究の概要 |
効率的な低品質医薬品・偽造医薬品(SF薬)検出法の開発・導入と流通医薬品の品質改善ならびにSF薬の排除に資するため、SF薬が跋扈するネパールにおけるフィールド監視で、携帯型装置を用いたラマン散乱分析によるSF薬検出、研究者らが考案した小規模溶出試験法によるSF薬スクリーニング、ならびにケミカルイメージングやX線コンピュータ断層撮影によるSF薬の成因究明を行い、新技術の有用性と限界を明確にする。
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研究実績の概要 |
低品質・偽造医薬品(SF薬)の駆逐を目指して、SF薬が跋扈するネパールにおけるフィールド監視で、新技術によるSF薬検出とSF薬の成因・系統の同定への応用を検討するため、令和4年度は、現地流通医薬品を収集(サンプリング)し、それらの品質調査に着手した。 1. サンプリング:対象店舗を首都カトマンズ(2022.5.15-31)と地方のサプタリ(2022.4.27-5.6)の薬局と卸売業者とし、ランダムに選択された63店舗において、アジスロマイシン(AZM)、セフィキシム(CFIX)、エソメプラゾール(ESM)およびロサルタン(LST)を購入した。オンライン会議システムを活用し、日本人研究者からサンプリング方法についてトレーニングを受けたネパールの共同研究者がサンプリングを行った。 2. 品質調査:真正性調査として、製造業者に対する出所起源調査を行った。外観観察として、Tool for Visual Inspection of Medicines(International Pharmaceutical Federation)の項目に従い検体を観察した。品質試験として、薬局方に準じ、主薬成分の定量、溶出試験、含量均一性試験を行った。 3. 進捗・結果:本研究において、AZM、CFIX、ESMおよびLSTをそれぞれ60、60 、61および60検体、計241検体を収集した。製造国は、ネパール(173検体、73%)とインド(68検体、28%)であった。真正性調査の結果、241検体中61検体について回答が得られ、それらに偽造性が疑われる検体はなかった。外観観察において、偽造性が疑われる検体はなかった。これまでの品質試験の結果として、ESMとLSTの一部において、溶出試験不適合検体が検出された。AZMとCFIXの品質試験ならびにESMとLSTの含量均一性試験を現在進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19パンデミックにより、日本人研究者のネパールへの渡航とネパールでのサンプリング実施が不可能となった。ネパールの共同研究者にサンプリングを委託することとなり、NHRCの承認が得られ、令和4年度にようやくサンプリングが実現した。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19蔓延により本研究課題の進捗が遅延したため、研究期間延長を再度申請し、さらに1年間の延長が承認された。令和5年内の終了に向けて、調査・分析を進める。真正性調査として、出所起源調査の回答率向上のため、回答が得られていない製造業者に再度コンタクトするとともに、製造国と製造販売国に対する合法性調査を進める。品質試験の結果、溶出不良が認められた検体について、ケミカルイメージングならびにX-CTを行い、錠剤の可視化による不良成因の究明を行う。また、ラマン散乱分析ならびに蛍光指紋分析によるSF薬判定、3錠平均溶出率/最小溶出率法による溶出性不適合品の同定について検証を行う。
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