研究課題/領域番号 |
19KK0238
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
村田 真理子 三重大学, 医学系研究科, 教授 (10171141)
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研究分担者 |
及川 伸二 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (10277006)
中村 哲 三重大学, 医学系研究科, 助教 (00437112)
翠川 薫 鈴鹿大学, こども教育学部, 教授 (20393366)
有馬 寧 鈴鹿医療科学大学, 医療科学研究科, 教授 (30263015)
XU YIFEI 三重大学, 医学部附属病院, 技術補佐員 (70952894)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 咽頭がん / 環境因子 / ウィルス / エピゲノム異常 / 上咽頭癌 / ウィルス感染 / DNAメチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
全世界の発がん要因の約25%を感染および慢性炎症が占める。がんではゲノムのみならず、エピゲノム異常が全ての段階で生じる。咽頭は、上咽頭、中咽頭、下咽頭から成り、喫煙・飲酒などの共通の環境発がん因子曝露を受ける。一方、上咽頭ではEpstein-Barrウィルス、中咽頭ではヒトパピローマウィルスの感染が影響し、下咽頭では関与がない。本研究において、我々は感染・炎症を生じる環境因子が発がんに大きく影響する系である咽頭がんをモデルとし、環境因子がどのようにエピゲノム異常発生に寄与し発がんに至るのかを分子疫学研究により明らかにすることを目指す。上咽頭癌の発生率は中国南部で高く、国際共同研究として行う。
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研究実績の概要 |
我々は感染・炎症を生じる環境因子が発がんに大きく影響する咽頭がんをモデルとし、環境因子がどのようにエピゲノム異常発生に寄与し発がんに至るのかを分子疫学研究により明らかにすることを目指す。中国南部ではEpstein-Barrウィルス(EBV)関連上咽頭がんが多発しており、広西医科大学との共同研究を行っている。環境因子としてEBVとヒトパピローマウィルス(HPV)の感染状況について、90%にEBVの局所感染があり、10%ではHPVとの重複感染であることを明らかにしている(BMC Cancer, 2021)。EBVの感染への影響因子のひとつに鉄動態が示唆されている。そこで我々は公開されている遺伝子発現情報データベースを用いて、トランスフェリン受容体遺伝子(TFRC) の発現が非癌部に比べ頭頸部癌で有意に高いことを見出した。また、トランスフェリン受容体タンパク(TfR)を上咽頭癌において免疫組織化学法で解析したところ、タンパクレベルでも有意に高発現していることを明らかにした。また、不死化正常細胞株に比べ、上咽頭癌細胞株では有意に高いmRNA発現が認められた。ヒト上咽頭癌由来培養細胞を用いて、TFRCに対するsiRNAを導入することで、がん細胞の増殖、浸潤が抑制され、また、ヌードマウスへの皮下移植モデルにおいても腫瘍の縮小がみられ、鉄動態が癌の進展にも寄与することが明らかになった。さらに、TFRCに対するsiRNA の導入細胞とコントロール細胞を比較し、RNA-sequencingにより解析することにより、TFRC 高発現の上咽頭癌においてPI3K/Akt/mTOR 経路が重要であることが示唆された(論文投稿中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では、2020年2月に相手国である中国を訪問し、調査・研究を行う予定であったが、中国でのCOVID-19の流行により渡航を中止した。しかし、既に得られているデータ・資料により解析を進め、また、公開されている遺伝子発現情報のデータベースやtissue microarrayを用いてウィルス感染状況への影響因子などの検討を上咽頭癌について行い、論文を投稿中である。一方、COVID-19の流行により、日中間の渡航・往来が困難な状況が続いており、現地調査を行えないため、研究は「やや遅れている」状況と考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在、上咽頭癌を含む頭頸部腫瘍について培養細胞やtissue microarrayを用いて、下記の解析を行い、炎症関連発がんにおけるエピゲノム異常発生機構について検討する。COVID-19の流行・ワクチン接種などの感染防止策の日中両国での進展状況により、現地調査を実施できるかを判断する。電子メールなどにより、海外共同研究者との連携は十分に保たれている。 1)エピゲノム異常の検出とがん抑制遺伝子機能解析(DNAメチル化率定量、microRNA発現解析、遺伝子発現解析、MTT assay、Migration/Invasion assay、等) 2)ウェスタンブロット法および免疫組織化学法によるタンパク発現の定量解析 3)酸化的DNA損傷指標8-oxodGおよびニトロ化DNA損傷8-ニトログアニンの解析
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