研究課題/領域番号 |
19KK0239
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古澤 拓郎 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (50422457)
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研究分担者 |
石田 貴文 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 研究員 (20184533)
松平 一成 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 研究員 (60813441)
大橋 順 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80301141)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヒトゲノム多様性 / インドネシア / 非感染性疾患 / 生活習慣病 / うつ病 / 地域研究 / 多型 |
研究開始時の研究の概要 |
世界の公衆衛生上の問題は非感染性疾患(NCDs)へと移っている。また、うつ病などのメンタルヘルス疾患も、途上国で増加している。これらの疾患はいずれも環境要因と遺伝要因が絡んだ多因子疾患である。実験医学の進展により、遺伝要因の解明は日進月歩で進んできた。しかし、先進国で明らかにされたハイリスクの遺伝要因が、環境要因の異なる途上国・熱帯地域では疾患とは関連しないことがある。そのため、インドネシアにとって適切な公衆衛生上の対策をとるために、遺伝要因と環境要因を統合的に研究するゲノム疫学調査を行う。
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研究実績の概要 |
本研究はインドネシアと日本の協力体制を構築し、遺伝要因と環境要因を統合的に研究するゲノム疫学を行うことである。南スラウェシ州の州都マカッサルとその近郊における調査と、同州にあり東部インドネシア最大の大学である国立ハサヌディン大学における共同研究である。 非感染性疾患は、遺伝要因と環境要因の両方が深くかかわることが知られている。日本や欧米においては、リスクとなる遺伝子型がいくつも明らかになっているが、その多くはそれぞれの環境において特異的なものであることも分かっている。インドネシアは約600の異なる言語があり、文化の多様性も高い。そこで、民族による遺伝的多様性や、文化による環境要因を科学的に分析することで、遺伝要因と環境要因を含めた、疾患リスクを明らかにすることができる。 文化を定量的に評価する方法として、インドネシア語版文化尺度の開発を進めた。前年度から続いて、確認的因子分析に基づいた文化尺度を提案し、国際誌に掲載された。この文化尺度は、うつ病有病であるか否かで、傾向が異なることも明らかにした。 また前年度までにインドネシアのマカッサル市およびトラジャ地方で収集されたサンプルについて、現地での遺伝子型タイピングを進めた。特に、健常者からなるトラジャ地方の分析からは、ある遺伝子型が、行動抑制システム(BIS)/行動活性化システム(BAS)と関連することが示唆され、さらなる分析を進めた。 インドネシアにおいて現地共同研究者と研究成果と今後の方針について話し合い、分析手法についての検討も重ねた。これらを通して、インドネシアと日本の共同で遺伝疫学研究を行う体制が整い、またインドネシアではまだ数の多くない遺伝疫学研究と文化心理学の分野で、先端的な成果を出しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、現地調査に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの検討結果に基づき、現地での分析体制を整え、研究分担者を現地に派遣することで、所定の目的の研究を完了させる。また、すでに得られた結果を、国際誌への投稿などによって、公表を進める。
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