研究課題/領域番号 |
19KK0241
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
斉藤 繭子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (20598031)
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研究分担者 |
野地 智法 東北大学, 農学研究科, 教授 (10708001)
今村 剛朗 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60849412)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ノロウイルス / サポウイルス / 易感染性 / 下痢症 / マイクロバイオーム解析 / 下痢症ウイルス / 母子免疫 / コホート研究 / 母乳 / 感染症疫学 / 粘膜免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
乳児の感染症の予防対策の一つとして、母乳栄養から得られる免疫は重要とされ、生後6ヶ月は完全母乳による育児が推奨されている。しかし、母乳に含まれる成分は多様であり、実際に母乳がノロウイルスの予防に有用であるのか、有用であるとすれどの成分がノロウイルスに有効であるのか、についてよくわかっていない。そこで、本研究は母乳中の抗ノロウイルス抗体、オリゴ糖、細菌叢を測定・解析し、それらと実際に乳児のノロウイルス感染とそれに関連する下痢症の発症頻度との相関を解析することで、ノロウイルス感染症予防に有用な母乳成分やその免疫機序の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度はウイルスに結合する糖鎖組織血液型抗原(HBGA)の測定を継続した。HBGAの濃度と乳幼児の下痢症あるいはウイルス関連の下痢症と相関があるかどうかを調べるため、フィリピンで行われた下痢症コホート研究(AMED感染症研究国際展開戦略プログラム)から得られた保存検体を用いてELISA法によるHBGA濃度の測定を進めた。 その結果、分泌型の小児では弱分泌型あるいは非分泌型(低HBGA)群に比べてノロウイルス関連下痢症の頻度が有意に高いことが明らかになった。遺伝子型別の解析においてはノロウイルスGII.4の遺伝子型については単独で、分泌型は弱・非分泌型に比べて分泌型で有意に高い下痢症および感染リスクが示された。分泌型群についてはさらにHBGAの濃度が高い群と低い群に分けた解析を行ったが、ノロウイルス関連下痢症発症および無症候感染の頻度とHBGA濃度の間に明らかな相関は認められなかった。この結果の一部についてはオランダで行われた第8回International Calicivirus Meetingでポスター発表を行った。 さらに、新型コロナウイルスの流行により渡航を中断していたペルーへの渡航を再開し、米国、ペルーの研究協力者を訪問しペルーで行われたコホート研究の解析の進捗状況や追加実験の計画、プロトコルの共有を行った。さらに、研究協力機関と研究協力に関する覚書きの手続きを再開し、年度内に内容について施設間の合意を得るまでに至り2024年4月に締結が可能な状態になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で中断した期間の遅延およびの検体搬送に関わる事務手続き等により2023年度内に当初予定していた研究計画の実施ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
母乳中のHBGA濃度測定、ノロウイルスの遺伝子型解析、ノロウイルス特異的抗体の測定を行い論文執筆と総括を行う。
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