研究課題/領域番号 |
19KK0245
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
新 竜一郎 宮崎大学, 医学部, 教授 (90452846)
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研究分担者 |
岩下 華子 東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (40742771)
高月 英恵 宮崎大学, 医学部, 助教 (80773978)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ロタウイルス / ネパール / リアソータント / 種間伝播 / 下痢症 / 成人下痢症 / 系統樹解析 / 分子疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
A群ロタウイルス(RVA)は、ヒト小児および動物若年個体における下痢症の主な原因だが、成人においてもときに急性下痢症を引き起こす。申請者らはネパールの成人下痢症患者における分子疫学調査を行ったところ、未知の動物RVA株が宿主種障壁を越えたことを示す結果が得られた。これを受けて本研究では検体収集のためのネパールの調査拠点を活用し、①種間伝播メカニズム、②動物RVAのヒトRVAへの順応の過程、③種間伝播における成人の役割を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では種間伝播メカニズムおよびの動物ロタウイルスのヒトロタウイルスへの順応の過程を明らかにするとともに、種間伝播における成人の役割を探究する。そのために成人およびヒトの居住地域に住む動物および家畜(水牛、ブタ)で循環するロタウイルスの全ゲノム解析を行う。2023年度において成人下痢症患者より採取された217の便検体の解析を行ったところ、以下の興味深い結果が得られた。 ①都市部の成人下痢症患者の18.8%(41/217)からロタウイルスが検出され、ゲノム解析された検体のうち16.6%(4/24)はヒト‐ブタロタウイルスのリアソータント株であった。 ②非通常株G11P[25]株のヒトロタウイルスへの順応。過去に同定されたG11P[25]株はブタ、ヒト、未知の動物由来のロタウイルスで構成されていたが、新たに同定された2株のG11P[25]株の遺伝子型構成はG11-P[25]-I1-R1-C1-M1-A1-N1-T1-E1-H1であり、すなわち典型的なヒトロタウイルスWa-like型の遺伝子型構成であった。VP7・VP4の他9つの遺伝子分節の分子系統樹解析を行った結果、それぞれ現代のヒトロタウイルスとクラスターを形成していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究開始当初、COVID-19の流行によりネパールでのサンプル収集が遅れていたが、現在は安定したサンプル収集が行われている。ネパールの首都カトマンズの感染症病院にて、成人下痢症患者より2021-2023年シーズンに250検体、2023-2024年に1000検体の便検体が採取された。2021-2023年の250検体の解析は終了しており、本年度はすでに採取・保管されている1000検体の解析を行う。また、家畜動物より採取された150の便検体についても同様に解析を行う。
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今後の研究の推進方策 |
ネパールの成人下痢症患者より採取された便検体1000検体、および家畜動物より採取された150検体の解析を行う。それと同時に行ったアンケート調査結果をもとに、ロタウイルス感染と下痢の重症度、動物接触歴および飲料水の水源の違いなどとの相関関係を明らかにする。
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