研究課題/領域番号 |
19KK0257
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松崎 隆哲 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (20363385)
|
研究分担者 |
石田 繁巳 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (10724388)
峯 恒憲 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30243851)
|
研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 故障検出・予測システム / 振動センシング / 不具合推定システム / 不具合推定システム 3.研究課題名 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,市販のWiFi機器を観測対象となる機器の近くに配置して通信するだけで産業用機器の振動をセンシングし,機器の故障及びその予兆を検出する手法を提案する. 1) WiFi通信を用いた振動センシング 2) 複数の振動状態の分離 3) 表記揺れに対応した日報からの不具合表現抽出 4) 振動センシング結果の解釈 という4つの課題に挑戦し,提案手法を用いた故障検出・予測システムを実現するとともに,日本国内と異なるマレーシアの環境下でシステムを評価することで,提案手法が利用する環境を選ばず有効であることを明らかにする.
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は,利用環境に依存せず,産業用機器に後付け可能な機器故障検出・予測システムを実現することである.特に,産業用機器の動作に関する深い知識を持たない人が低コストなセンサを後付けするだけで機器の故障を検出・予測できるシステムが実現できないか?という問いに答えるべく,Wi-Fi通信を用いた振動センシング技術および作業日報から故障の兆候の検出や将来的な故障の予測を行う故障検出・予測システムについて研究を行っている. 令和5年度は,現地(マレーシア,UTM KL/MJIIT)に渡航する前に,日本国内の大学設備を利用して振動センシングのモデル作成を行うため,次の項目:(1)「Wi-Fi通信を用いた振動センシング手法の検討」と(2)「日報による作業状況の推定実験」に取り組んだ. 課題(1)では,NC工作機械の金属加工における「Wi-Fi通信のCSI (Channel State Information)」を測定し,機械学習を用いることで,「Wi-Fi通信を用いた振動センシング手法」により,NC工作機械の動作状態を推測できるかどうか評価した.評価の結果,「Wi-Fi通信を用いた振動センシング」によって,NC工作機械の動作状態を推定できると明らかにした.しかしながら,実験室環境の状態によって,動作状態の推定精度に影響を及ぼしている可能性もあることから,振動センシングのモデル作成までは至らなかった. 課題(2)は,センシングデータと日報データの関連性について検討を行い,センシングデータの状態変化と実験環境の相間について着目をし,日報データに金属加工時の工作機械の状態だけではなく,実験室環境の状態についても記録することにした.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度は,海外渡航のリスクを鑑みて,海外の共同研究先(マレーシア,マレーシア工科大学(UTM KL/MJIIT))に渡航せず,日本国内で振動センシング手法のモデル作成を行った. NC機械を用いた実験により,Wi-Fiを用いた振動センシング手法のモデル作成についてはある程度めどが立ったが,工作機械の周辺環境状態に依存する部分もあることから,更にモデルを検討してから,現地での実証評価環境の確認及び実証評価を行うことにした. これらのことより,当初の研究目的である「日本国内と異なるマレーシアの環境下で評価」で必要となる現地への渡航が実現していないことに加え,研究期間を再延長することから,全体としては当初の計画よりも遅れていると判断している.
|
今後の研究の推進方策 |
早急に,NC機械を用いた実験と日報を用いた実験環境状態の比較を行うことで,Wi-Fiを用いた振動センシング手法のモデル作成を行う. ある程度モデル作成のめどが立った後,日本国内で開発を進めてきたWi-Fi通信を用いた振動センシングシステムを現地に持ち込み,マレーシア工科大学の工場(UTM PrecisionLab)を利用して実証評価に取り組む.そして,システムを日本国内と異なるマレーシアの環境下で評価することで,提案システムが利用する環境を選ばず有効であることを明らかにする. Wi-Fiセンシングした振動データは実験環境によって影響を受けることから,センシングデータを測定する際の日報データより,実験データの分類を行う手法について検討する.これは,実験室環境や工作機械取り扱いの熟練度をまとめた日報とCSIデータの関連付けを行い,CSIデータからの推定精度を向上するための手法について検討する.
|