研究課題/領域番号 |
19KK0262
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷本 潤 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (60227238)
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研究分担者 |
一ノ瀬 元喜 静岡大学, 工学部, 准教授 (70550276)
伊東 啓 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (80780692)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 数理疫学 / マルチエージェントシミュレーション / Vaccination Game / Intervention Game / 進化ゲーム理論 / 社会最適 / 新興感染症 / スーパーコンピュータ / 感染症 / ゲーム理論 / vaccination game / 複雑ネットワーク科学 / 進化ゲーム / 進化生物学 / パンデミック / ワクチン接種ジレンマ / IoT / 社会情報システム / インフルエンザ |
研究開始時の研究の概要 |
予算制約から全ての高齢者に対して無制限の福祉を提供することは不可能だとしても,重症化による更なる高額医療費を未然に防ぎ,大感染を効率的に抑止出来るのなら,先制的予防接種の完全無料化も現実的選択肢の一つとなり得るかもしれない.その場合,どのような対象に,どのような公的補助スキームを導入することで,どれだけインフルエンザ流行の規模を低抑化出来,どうすれば社会のリスクとコストを最小化出来るのかを定量的に論じることは重要な視点となる.本研究では,そのコンセプトの実践・社会実装をIoTデバイスを利用した情報技術を採り入れることにより具体的に提案する.
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研究成果の概要 |
情報通信技術を導入することで,疾病コスト,ワクチン接種,さらに公的補助を担保する追加税負担を含めた社会総コストを最小化する枠組みを示した.まず, SEIRSなどの各コンパートメントをモジュール上に組み立て,夫々の新興感染症予測する枠組みを示した.これにより,例えばワクチン接種の意思決定ダイナミクスを模擬するBehaviorモデルを連成した枠組みODE-Behaviorモデル連成システムへの道筋を得た.さらに,現実社会の物理接触ネットワーク,意思決定に影響する情報ネットワーク上でのVaccination Game,Intervention Gameを実装する巨大MASシステムを構築した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
数理生物学をバックグラウンドにする世界最先端COE研究者と数理疫学,公衆衛生学,情報科学を専門にする本邦側若手アカデミックの協働が,社会物理学者(研究代表者)がmediator役と務めることで可能となった.プロジェクト成果としての論文発表は,プロジェクト期間中ながら既に30編を超える高い生産性を示した.感染症伝搬は,人間社会の複雑ネットワークを通じて生起する現象としての側面を有するが,本プロジェクトにより,原因側で元を絶つ,罹患する生体側で防御する対策と並んで,経路となる社会システムを適切に制御することで,感染を封じ込め,パンデミックを未然に防ぐ対策を構築できる可能性があることが示された.
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