研究課題/領域番号 |
19KK0272
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
劉 庭秀 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70323087)
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研究分担者 |
戸敷 浩介 宮崎大学, 地域資源創成学部, 教授 (00542424)
大窪 和明 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (50546744)
佐藤 正弘 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (60622214)
眞子 岳 東洋大学, 国際共生社会研究センター, 客員研究員 (80633528)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 中古ハイブリッドカー / 使用済みニッケル水素バッテリー / リユース / リサイクル / 環境影響評価 / 国際資源循環 / 国際技術協力 / 資源外交 / 遊牧民 / ハイブリッドカー / エネルギー格差 / 持続可能性 / 環境汚染 / 再生可能エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は日本からモンゴル国への中古ハイブリッド自動車輸出の急増を背景として、使用済みHEVの不適正処理による環境汚染やニッケル水素バッテリーの再利用・再生利用の観点からエネルギー問題に関する実態調査を行い、遊牧民の持続可能な生活の再構築に向けた分析方法論の構築および政策提言を行う。 遊牧民を対象に、エネルギーの消費構造、中古HEVの保有・廃棄行動などの実態を明らかにし、使用済みHEVとニッケル水素バッテリーの排出量を推計する。また、遊牧民の環境汚染やエネルギー貧困問題の解決に向けて中古HEVの有効利用計画を提案する。 最後にニッケル水素バッテリーに含まれる希少資源の有効利用に関する政策提案を行う。
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研究実績の概要 |
コロナ禍の影響で海外渡航ができず、今年も文献及びデータ収集・調査、環境影響評価を中心とした事例研究を行った。まず、今まで実施した、中古ハイブリッドカーの輸出と使用済み自動車の発生台数の予測結果及び先行研究の計量書誌学の分析結果に基づいて、使用済みハイブリッドカーから発生するニッケル水素バッテリーのリユース及びリサイクルの有効性について環境影響評価(ライフサイクルアセスメント)を行った。 実際、日本からモンゴル国に輸出された中古ハイブリッドカーから発生する使用済みニッケル水素バッテリーは、一部が中古バッテリーとして流通されているものの、大部分は不法投棄されたり、一般廃棄物と一緒に埋立処分されたりしている。そこで、本研究では、使用済みニッケル水素バッテリーをリユースするケース、リサイクルするケース、埋立処分するケースに分けて、それぞれの環境影響評価を行った。結果的に埋立処分に比べて、リユースやリサイクルを行えば、使用済みニッケル水素バッテリー一つあたりに約83kgの二酸化炭素排出量が削減でき、約1.4kgの資源節約効果があることがあり、廃棄物の最終処分量(0.044 立方メートルの確保)とエネルギー消費量(1,611MJの節約)を減らせることが分かった。さらに、日本の国際協力事業としてリサイクル産業の技術協力が実現できれば、使用済みバッテリーをより効率的に再利用と再資源化できるとともに、国際資源循環によるレアメタルと貴金属類の確保も見込めると考える。 なお、今年は国際資源循環に関する国際的な動向についても基礎的な考察を行っており、コロナ禍の影響による研究内容の修正のために国際的な資源流通と資源外交に関するシナリオ分析についても検討を始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年もコロナ禍の影響でモンゴル国への渡航ができず、現地におけるフィールドワークと国際共同研究の実施が難しい状況である。特に、現地は病院や医療施設のインフラ整備が遅れており、外国人の出入国を徹底禁止している。また、仮に入国ができたとしても非常に高いリスクを背負うことになり、昨年は現地での国際共同研究の実施ができなかったため、現在までの進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年は国内外の状況が改善できることを期待しているが、モンゴル国立大学も現地調査の実施が難しいため、オンラインによる意見交換を行いながら、渡航時期を見極めていきたい。最近、国際的にコロナ禍の状況改善が見られるため、年内に渡航できることを期待しつつ、今年も前半は国内で実施できる研究調査と分析を進めていく計画である。また、遅れを取り戻すために、研究協力者としてポスドク1人を雇用し、本研究に積極的に参画させる計画である。なお、今年から現地のフィールドワークと国際共同研究が実施できたとしても研究期間を延長せざるを得ない状況である。
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