研究課題/領域番号 |
19KK0274
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三條場 千寿 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70549667)
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研究分担者 |
小林 大介 国立感染症研究所, 安全実験管理部, 主任研究官 (40829850)
宮下 直 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50182019)
糸川 健太郎 国立感染症研究所, 病原体ゲノム解析研究センター, 主任研究官 (70769992)
筒井 優 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (70850098)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 節足動物媒介性感染症 / トルコ / リーシュマニア症 / サシチョウバエ / 蚊 / ウエストナイル熱 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では研究代表者をはじめ日本人研究者が、海外共同研究者の研究拠点であるトルコ・エーゲ大学に直接出向き実施する研究活動および現地調査が中核をなす研究計画である。両国の研究機関の昆虫学者、医学者、獣医学者、地理学者、生態学者が緊密な連携を構築し、サシチョウバエが媒介するリーシュマニア症と、蚊が媒介するウエストナイル熱をモデル感染症として、気候・生態系変動の予測・影響評価を行い、それら技術、知識、情報の統合により感染症制御のための早期警戒システムを共創する。
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研究実績の概要 |
本研究は、サシチョウバエが媒介するリーシュマニア症と蚊が媒介するウエストナイル熱をモデル感染症とし、これら感染症対策を課題とするトルコにおいて、気候・生態系変動の予測・影響評価をもとにした感染症流行の早期警戒システムの構築を目的としている。 トルコに生息するサシチョウバエについて、これまで得られたデータを集積、また既報論文を網羅的に収集し31種につき生息地点地図を作成した。皮膚型/内蔵型リーシュマニア症のベクター種とされているPhlebotomus sergenti、P. papatasi、P. major、P. neglectus/syracus、P. tobbiについては、生息範囲を決定する因子として、気候(年間平均/最低/最高気温、年間平均降水量)、土地利用・植生(正規化差植生指数)、周辺環境、地形(傾斜、方角、高度)、生物環境(犬や家畜などの存在)を仮説とし、Worldclim、CORINE、SRTMからデータを取得し、地理情報解析ソフトを利用して解像度10 square kilometersで点またはグリッドを作成、値を抽出することにより第一段階の生息範囲地図を作成した。 トルコに生息する蚊については、東部より採集したCulex pipiensを用い、フラビウイルスに対する感受性を頭部・翅・脚へのウイルス感染7日目、14日目における移行率により算出した。蚊媒介ウイルスの殆どはRNAウイルスであり、虫体からウイルス遺伝子の検出等の解析を行うためには、採集後の低温保持が必要となる。ドライアイス等の入手困難な調査地や長時間の輸送を行う際、採集した蚊の保有するウイルスRNAを安定的に保存する手法を確立した。Aedes albopictusの実験室系統を用い検証を行い、8週目まで常温下においてもウイルスRNA量の有意な減少はみられず、コールドチェーンにとらわれない疫学調査への実装が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始当初より新型コロナウイルス拡大防止対策による渡航制限の影響をうけ、日本人研究者によるトルコ国内フィールド調査の実施、技術移転が出来ず、計画より遅れていたが、サシチョウバエおよび蚊が保有するウイルスゲノムRNAの安定的な保存方法が確立されたこと、また最終年度に予定していた媒介昆虫の広域分布予測と感染の分布予測図のための解析に着手したことにより、遅れを取り戻している。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者および日本人研究者、海外研究協力者によるトルコ国内調査を実施し、サシチョウバエ・蚊における病原体感染率調査を加速させる。リーシュマニア症ではサシチョウバエとイヌを対象に、ウエストナイル熱では主に蚊を対象に行い、感染リスクがある主たるエリアを特定する。蚊が保有するウイルスの網羅的解析は、昨年度に引き続き対象昆虫を培地中で破砕し、ろ過滅菌、各種ヌクレアーゼによる昆虫由来核酸の除去後、RNA抽出を行う。抽出したRNAを鋳型としてcDNAの合成を行い、NGS用のライブラリーを作製する。ライブラリーの増幅、NGSによるシークエンス解析を行い、de novoアセンブリを行うことにより、コンティグ配列を作成しウイルス様配列の検索を行う。さらに、リーシュマニア症については、皮膚型/内蔵型患者およびイヌリーシュマニア症の最新の分布を明らかにし、トルコにおける特にリーシュマニア症ベクター種サシチョウバエの生息範囲予測地図を完成させ、宿主-媒介種-病原体の関連など考察を深める。Culex pipiensおよびAedes albopictusについても生息範囲予測地図を完成させる。そのために、調査努力量の偏りなどのバイアス除去、具体的な偽不在データの設置方法、種による移動分散能力の検討、および環境データの解像度等の課題を解決する。
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