研究課題/領域番号 |
19KK0276
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大橋 俊朗 北海道大学, 工学研究院, 教授 (30270812)
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研究分担者 |
東藤 正浩 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10314402)
山田 悟史 北海道大学, 工学研究院, 助教 (90730169)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 内皮細胞 / メカノトランスダクション / 一次繊毛 / 磁気ナノビーズ / 細胞間力 |
研究開始時の研究の概要 |
内皮細胞の流れに対する力学受容体について様々な候補が提案されているが,その力学伝達経路については不明な点が多く残されている.これは“流れ”という細胞全体に負荷されるグローバルな力学刺激が実際に細胞のどの部位に力学刺激として伝達され,そこで生化学信号に変換されているのか,についての理解が不足しているためである.以上の背景のもと,磁気ナノビーズ技術を高度に駆使して内皮細胞の力学伝達経路の一端を解明する.また,内皮細胞は細胞同士が接触した密な状態ではじめて流れ刺激に応答するため,流れ負荷内皮細胞の形態変化における細胞間接着部位の力学的役割の解明を目指す.
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研究成果の概要 |
細胞は周囲の力学環境に適応して形態および機能を変化させる。近年では細胞表面に突出する一次繊毛(Primary cilium)が力学刺激の感知に深く寄与していることが指摘されているが力学感知機構の全容は明らかではない。本申請課題では、磁気ナノビーズ技術を用いて流れ刺激に対する内皮細胞の力学伝達経路の推定を目的とした。磁気ナノビースを細胞表面に付着させ磁場負荷により細胞応答を計測した結果、細胞は磁場の方向に伸長した。また、磁気ナノビーズ導入人工細胞を効率よく生成するためのマイクロフルイディクスシステムを構築した。さらに、Primary ciliumの力学特性計測という新しい研究展開も図った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から得られる知見は内皮細胞の流れに対する力学応答の理解を一層深めるものであり、それはすなわち動脈硬化症など内皮細胞が関連した血管疾患の発生・発達の機序の解明そして診断技術の開発に貢献することが期待される。また、本申請内容は細胞の力学応答研究において新たな実験技術となり得る研究手法を提案・開発するため、細胞バイオメカニクスの新しい基盤技術として当該分野の発展に大きく資することができると考えられる。将来的には引き続き共同研究体制を維持しながらより臨床に役立つ知見を提供すべく、細胞の力学刺激に対する応答能を亢進させる薬剤や生化学的因子を用いた研究に進めていきたいと考えている。
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