研究課題/領域番号 |
19KK0277
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
網代 広治 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (50437331)
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研究分担者 |
田中 克典 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (00403098)
岡山 慶太 大阪大学, 国際医工情報センター, 特任講師(常勤) (50705168)
CHANTHASET Nalinthip 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (80847129)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 生分解性高分子 / 血管 / 徐放 |
研究開始時の研究の概要 |
動脈硬化の治療において、最先端の生体吸収性ステントでさえも血栓症リスクは否めない。循環器ステント治療革新のためには、新しい生分解性ポリマー開発が必須である。研究代表者は、分解しても酸性有機化合物を生成しない感熱応答性生分解性ポリマーを合成した。これを利用して本研究では、フランス国研究者が有するピンサー型触媒の技術と連携して、新しい高分子材料を創る。ここでは抗がん剤と血流改善剤の2種類を、分解速度の異なる高分子を組み合わせることで薬物をタイムプログラミングで放出制御することを目指す。動脈硬化を完治させた後、若返り(アンチエイジング)を可能とする、処方を順序立てた高分子材料の創製に挑戦する。
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研究成果の概要 |
分解しても中性を保つ独自の高分子材料として、エステルフリー型ポリトリメチレンカーボネート誘導体を活用し、様々な新しい高分子材料を分子設計した。分子設計は、モノマーの側鎖にエステル基を避けて種々の機能性置換基を導入し、共重合体や重合触媒について検討を行った。感熱応答性を有するオリゴエチレングリコール鎖・剛直な構造である種々の芳香族置換基や水素結合性の強いウレア基などを導入した。高分子物性として、親水性・力学強度・耐熱性を評価した。また、粒子や薄膜を調製したり、薄膜表面の親水性・タンパク質吸着・薬物徐放の実験から高分子材料としての特性を調べたり、様々な特徴のある新しい分解性高分子材料を創製した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、加水分解を避けた化学構造を維持しながら、様々な特性の高分子材料を展開したことである。モノマーの分子設計により実際に多くの新規化合物が合成された。これら新規モノマーの重合反応性が明らかとなり、高分子構造を制御するためのモノマー、重合条件、触媒構造が明らかとされている。得られて高分子について粒子や薄膜の調製条件が報告され、それらの親水性・分解性・耐熱性・力学強度・生体適合性などの材料特性が評価され、明らかとされた。社会的意義は、高齢化社会に対する新しい医療材料としての素材に新しい可能性を示したことである。血液適合性や薬物徐放制御を適切に処置できる材料の選択肢の一つとして意義がある。
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