研究課題/領域番号 |
19KK0283
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横山 慶子 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (30722102)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2023
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | 仮想現実 / 対人同期 / 対人協調 / 対人協調技能 / 学習ダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,他者と協調する技能,すなわち対人協調技能の学習を促進する学習環境を明らかにすることである.そのために,仮想現実とモーションキャプチャシステムを用いて,学習者の知覚情報を操作し,動きを計測することにより,どのような視覚情報の提示が対人協調技能の学習に貢献するのかを明らかにする.このことは,ヒトの身体的社会性の理解に繋がると同時に,身体を包含したコミュニケーションツールの開発にも波及すると考えられる.
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研究実績の概要 |
当該年度では,多人数の動きを計測するモーションキャプチャシステムと,他者の運動パターンを視覚情報として呈示する仮想現実環境を組み合わせた実験環境を用いて,二種類の予備実験を実施した. まずひとつは,三者の協調運動に関する実験である.ここでは,現実空間での三者の協調運動を調べるために,対面の逆さ振り子課題を実施した.振り子の動きのデータを同期の観点から解析したところ,三者の協調運動として,身体的な運動の同期よりも,視覚的な運動の同期を好む傾向がある可能性が考えられた.また,円環状と鎖状という異なる三者の相互作用形式が同期パターンに及ぼす影響についても検証した.現状では,サンプル数が少ないため,本実験が必要ではあるが,相互作用の形状によって同期パターンの特徴が異なる可能性が予想された.もうひとつの予備実験では,仮想空間における付加的な視覚情報(他者の運動パターンの光流履歴)が,二者の協調運動に及ぼす影響を検証した.ここでも,上記の実験と同様に,逆さ振り子課題を用いた.実験条件としては,付加的情報がない場合とある場合における二者間の同期パターンの違いを検証し,付加的情報が同期を促進する可能性が予想された.ただし,付加的な視覚情報の特徴,例えば光流の履歴の長さなどについては十分に検討していないため,今後,その詳細について検討する予定である.また今後は,海外共同研究者の拠点に渡航する予定であり,上記の予備実験の結果を踏まえて共同研究者と共に研究を進めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験環境の構築に時間を要しており,本実験に至っていないため.また,新型コロナウィルス感染症の影響を受けて,当初の予定よりも渡航時期を遅らせることになったため.
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今後の研究の推進方策 |
実験環境の構築についてはある程目途が立ったと考えられる.渡航先の研究者と議論したうえで本実験を実施する予定である.
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