研究課題/領域番号 |
19KK0292
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
海部 健三 中央大学, 法学部, 教授 (30615258)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2022
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
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キーワード | ウナギ / 生態系管理 / ニホンウナギ / ヨーロッパウナギ / 資源管理 / EBM / 資源の持続的利用 / 東アジア / EU |
研究開始時の研究の概要 |
重要な水産資源でありながらも絶滅危惧種に区分されているニホンウナギの保全と持続的利用を目的として、科学的知見に基づいた、適切な資源管理の実現を目指し、EUと東アジアにおけるウナギの資源管理について、 (1)資源管理の国際的な枠組み、および(2)政策決定プロセスを比較し、東アジアにおける地域課題を明らかにする。比較研究は、文献調査、アンケート調査およびインタビュー調査を通じて行う。国際自然保護連合(IUCN)のウナギ属魚類専門家グループの座長として、ヨーロッパ及び世界のウナギ属魚類の保全と持続的利用を牽引するGollock博士(ロンドン動物学会)を共同研究者とする。
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研究成果の概要 |
EUと東アジアにおけるウナギ資源管理枠組みの比較研究を行った結果、生態系管理(EBM)の原則をウナギ属魚類の資源管理に適用することで、消費管理に留まらない包括的なウナギ資源管理を促進できる可能性が提示された。EBMは特定の種にとどまらない管理手法であることから、EBM原則をウナギ資源管理に適用するに当たっては、慎重な検討が必要とされるため、さらに検討を進めた結果、包括的な資源管理であるEBMがウナギ資源管理を改善する可能性が高いことはもちろん、包括的なシンボル種でもあるウナギ属魚類の保全は、EBMの目的である生態系と人間の関係回復にも貢献する可能性が高いことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
適切なウナギ資源管理には消費量制限(漁獲規制)にとどまらない包括的なアプローチが必要であることは国際的に認識されていたが、その方法論は提示されてこなかった。このような中、本研究課題を通じてニホンウナギとヨーロッパウナギの国際資源管理枠組みについて検討を進めた結果、EBM原則を適用することによって、ウナギ属魚類が直面する幅広い脅威に対応できる資源管理方策を立案できる可能性を示した。今後、EBM原則に基づいたウナギ資源管理を促進することにより、ウナギ属魚類の資源管理を飛躍的に改善できる可能性が考えられる。
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