研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
これまで「海洋生物の窒素同位体比履歴」と「窒素同位体比の空間分布」から、さまざまな海洋生物の回遊経路が復元されている。近年「海洋生物の窒素同位体比履歴」の復元精度が向上する一方、まばらな「窒素同位体比の空間分布」が、経路復元の妨げとなっている。本課題では、海洋生物の回遊経路復元に向けた、高分解能な「窒素同位体比の空間分布」を作成する目的で、窒素同位体モデルによる全球海洋窒素同位体マッピングを行う。
これまで「海洋生物の窒素同位体比履歴」と「窒素同位体比の空間分布」から、さまざまな海洋生物の回遊経路が復元されている。この「窒素同位体比の空間分布」は、海洋観測で得られた試料の窒素同位体比から作成されていた。近年「海洋生物の窒素同位体比履歴」の復元精度が向上する一方、まばらな「窒素同位体比の空間分布」が、経路復元の妨げとなっている。そこで本課題では、海洋生物の回遊経路復元に向けた、高分解能な「窒素同位体比の空間分布」を作成する目的で、窒素同位体モデルによる全球海洋窒素同位体マッピングを行う。共同研究は、海洋窒素同位体研究の第一人者であるSigman研究室と行う。地理的な要因により、申請者らは西部太平洋とインド洋、Sigman研究室は東部太平洋と大西洋の観測値を多く所有している。本課題では、共同研究を通して、研究室間の分析法の較正と観測データベースの統合を行い、全球海洋窒素同位体モデルの構築・評価を行う。本年度は、全球海洋窒素同位体モデルを用いて作成した窒素同位体比地図の、西部北太平洋海域の季節変化について解析を行い、論文化して出版した。本研究で作成した窒素同位体比地図は、西部北太平洋海域の定点で観測した窒素同位体比の季節変化を、非常に良く再現していた。また前年度に引き続き、本課題で作成した窒素同位体比地図を、サバやアジ、サンマの眼球の窒素同位体比分析結果の解析へ応用し、各個体の回遊経路の推定を行った。
2: おおむね順調に進展している
本年度は当初の予定通りSigman研究室へ渡航した。研究成果を論文化して出版した。
令和6年度は全球海洋の季節変化について解析を行い論文の投稿を目指す。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Frontiers in Marine Science
巻: 11 ページ: 1294608-1294608
10.3389/fmars.2024.1294608
Geophysical Research Letters
巻: 49 号: 17
10.1029/2022gl098670
PANGAEA
巻: -