研究課題/領域番号 |
19KK0300
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 熊本大学 (2021-2023) 金沢大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
久保田 慎二 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部附属国際人文社会科学研究センター, 准教授 (00609901)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 土器 / 栽培植物 / 使用痕分析 / 中国初期王朝 / 夏王朝 / 炭化物微細構造分析 / 米 / 出土穀物 / 雑穀 / 新石器時代 / 初期王朝時代 / 中国考古学 / 炭化物微構造分析 / 穀物 / 食文化 / 炭化種子 / 学際研究 / 二里頭文化 / 初期王朝 / 土器利用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、中国初期王朝時代の土器利用の実態解明を目指して、①最新栽培植物の出土分布図作成、②栽培植物の特性の理解、③栽培植物の加工・調理方法の把握、④栽培植物と土器の利用事例および残存脂質分析サンプルの収集、⑤分析結果の総括、以上5つの研究項目を設定する。特に、②~④はイギリス・ロンドン大学で国際共同研究として実施し、国内には少ない世界各地の雑穀を中心とする栽培植物に関する豊富なデータを利用しながら研究を進める。その結果、日用土器と栽培植物という一般的な視点から、これまでの政治史的解釈とは異なる新たな中国初期王朝像を描き出す。
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研究成果の概要 |
本国際共同研究は、中国初期王朝成立期における土器利用の実態について、土器だけではなく調理対象となる栽培植物からもアプローチすることを目的とする。 国際共同研究自体は報告者のロンドン大学考古植物学研究室における滞在を通して、現地共同研究者と実施された。Covid-19の影響により計画の変更を余儀なくされたが、①出土炭化栽培植物のデータベース構築、②各栽培植物の特性と加工・調理の方法の理解、③炭化物微細構造分析の導入と実施、④国際シンポジウムの開催、以上4点において、特に②を中心に予想を超える成果を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本国際共同研究により、これまで政治史的解釈に偏っていた中国初期王朝史において、土器利用と主食調理という日常生活レベルの視点の重要性を示すことができた。それとともに、これまで東アジアで実施されていない炭化物微細構造分析の導入と基礎研究の開始は、今後、中国だけではなく日本における出土炭化物の実態解明に資する成果である。これにより東アジアにおける調理・食文化史の解明が進むことが期待される。また、本国際共同研究を通して構築された良好な国際関係は、今後のさらなる共同研究の発展の基礎になり得よう。
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