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ハワイ語新聞を一次資料とする危機言語の復活とメディア利用に関する談話分析的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0302
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))

配分区分基金
研究分野 言語学
文化人類学・民俗学
研究機関早稲田大学

研究代表者

古川 敏明  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90609372)

研究期間 (年度) 2020 – 2024
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
キーワードハワイ語新聞 / 危機言語 / メディア / 談話分析 / ハワイ語
研究開始時の研究の概要

本研究は言語の復活とメディア利用を探求するため,19世紀のハワイ語新聞を新資料とする談話分析を行い,(1)言語復活運動の一環である新聞のアーカイブス化と共同体の言語イデオロギーの関係を明らかにするとともに,(2)新聞から影響を受けたラジオに特有の発話とハワイ語の雑種性を明らかにする.また,本研究はハワイ語新聞を一次資料として日系移民史に迫る初の試みでもあり,(3)日本関連記事を枠付ける先住民の世界観を明らかにすることで日本・日系関連の歴史と記憶の再定義を試みる.

研究実績の概要

2022年8月2日から2023年7月29日までアメリカ・ハワイ州に滞在し,帰国した.滞在中は昨年度から引き続き,危機言語の復活とメディア利用に関する基課題を発展させるため,ラジオより長い歴史を持つ新聞を研究対象とした.基課題と関連性が高く,特に緊急性の高い3点について,現地で実施した内容は以下の通りである.
(1)ラジオ以外の観点から危機言語の復活とメディア利用の関係性を明らかにするため,ハワイ語新聞のアーカイブス化およびその後の電子化の事例を調査した.具体的には,州立資料館などで司書やアーキビストに聞き取りを実施した.
(2)ハワイ語新聞が新ドメインであるラジオ会話という特有のレジスター構築にどのような貢献をしたのか,その成立過程を明らかにすることを目指している.具体的には,この点を探求するため,ハワイ語新聞が話題として取り上げられたラジオ番組中のやりとりを分析するため,音声資料の転写を進めている.
(3)ハワイ語新聞を一次資料として,19世紀末のハワイから日本への人の移動について調査し,日系移民を中心とする従来の研究を補完することを目指している.この点で最も研究が進展しており,19世紀末に来日したハワイ先住民の人物と家族の物語を構築することを軸に幅広く収集した資料を分析するとともに,当該人物の子孫にあたる人物と面会することができた.また,ハワイ大学マノア校やヒロ校の研究協力者たちと情報交換を行うことができた.こうして収集した資料や情報に基づき,日本語と英語の論文発表を準備中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の3つの目的である,(1)ハワイ語新聞のアーカイブス化およびその後の電子化の事例を調査すること,(2)ラジオ会話に特有のレジスター構築におけるハワイ語新聞の影響とその成立過程を調査すること,(3)ハワイ語新聞を一次資料として19世紀末のハワイから日本への人の移動について従来の研究を補完すること,それぞれについて計画を進展させることができていて,特に3点目について論文として成果を発表する見込みが立った.

今後の研究の推進方策

本研究の目的の1つであり,最も重要な目的(ハワイ語新聞を一次資料として19世紀末のハワイから日本への人の移動について従来の研究を補完すること)に関し,日本語論文の発表の見込みが立ったので,次に英語論文の掲載をすることでハワイの研究者コミュニティとの対話を深化させることを目指していく.

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] ハワイとハンセン病: 先住民による日布間移動2024

    • 著者名/発表者名
      古川敏明
    • 雑誌名

      移民研究年報

      巻: 30 ページ: 53-68

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 地名「カプーカキー」と「レッドヒル」の指標性 : ハワイの環境汚染問題をめぐる公聴会の会話分析2024

    • 著者名/発表者名
      古川敏明
    • 雑誌名

      大阪大学言語文化共同研究プロジェクト2023 応用会話分析研究

      巻: ? ページ: 11-20

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 移動するハワイ先住民: 19世紀末に来日したケアヴェアマヒの事例2023

    • 著者名/発表者名
      古川敏明
    • 学会等名
      日本オセアニア学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ハンセン病治療のために来日したハワイ先住民-ハワイ語新聞を手がかりに-2022

    • 著者名/発表者名
      古川敏明
    • 学会等名
      日本移民学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 1880年代に来日したハワイ先住民たち2020

    • 著者名/発表者名
      古川敏明
    • 学会等名
      ハワイイ研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] ポエティクスの新展開2022

    • 著者名/発表者名
      片岡 邦好、武黒 麻紀子、榎本 剛士
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      9784823411441
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] ハワイ語で話そう2021

    • 著者名/発表者名
      古川敏明・土肥麻衣子
    • 総ページ数
      155
    • 出版者
      白水社
    • ISBN
      9784560089033
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] モビリティとことばをめぐる挑戦-社会言語学の新たな「移動」-2021

    • 著者名/発表者名
      三宅和子・新井保裕(編著)
    • 総ページ数
      284
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      9784823411281
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-02-06   更新日: 2024-12-25  

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