研究課題/領域番号 |
19KK0312
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
安田 恵美 國學院大學, 法学部, 准教授 (90757907)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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キーワード | 社会参加 / ヴァルネラブル / 刑務所 / 社会内処遇 / 再犯防止 / 施設内処遇 / ヴァルネラビリティ / 高齢受刑者 / 社会的排除 / 主体性 / バルネラビリティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、刑務所を出所した人々が社会復帰をしていくために必要な支援について、当事者と支援者という軸、日本とフランスという軸、理論と実践という軸の3つの軸を設定し、調査を行う。ここでの研究目的は、「社会復帰」概念の明確化ではない。社会復帰には内心の変化も含まれうることに留意しながら、出所者等が社会で「更に生きていく(=更生)」ことを支える生活基盤の構築・再構築に着目している。 実態調査のみならず、フランスにおける「社会参加」という考え方に着目した理論研究も進めることにより「刑務所出所者等」の当事者の意思決定に基づく社会参加を促進するためのモレのない施策の基礎となる理論の構築も試みる。
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研究実績の概要 |
フランスにおける高齢受刑者の中には、性犯罪のかどで有罪宣告を受けた者も少なくない。そのような場合において、仮釈放等にかかる手続きにおいて、当該被収容者の危険性・再犯リスクに関する評価が必要とされることもある。そこで、2023年はフランス司法省行刑局の協力を得て、国立アセスメントセンターにおける危険性・再犯リスクアセスメントについて調査を行った。とりわけ、2023年9月には、フレーヌ国立アセスメントセンターを訪問し、実際に被収容者の危険性・再犯リスクのアセスメントを行っているチーム(心理士、保護観察官から構成される)にヒアリングを行い多くの知見を得た。そこから、発展して、生活や心身の健康の維持に関する支援と再犯防止プログラムの関係性に着目し、調査研究を行っている。その活動を通して、既決のみならず、被疑者被告人に対する危険性・支援の必要性に関するアセスメントの実践についても、グッドプラクティスを収集することができた。これらの研究活動の成果の一部については、国学院法学等において公表している。 また、以上のような法制度および実践の分析のみならず、いわゆる「司法と福祉」の連携のあり方について、理論的な検討も深化させるべく、フランスの研究者・実務家と共同研究を行っている。具体的には、犯罪者処遇・満期釈放者をも含む刑務所出所者への対応における、保護観察官等と対人援助職の関係について、フランスの保護観察官、再犯防止プログラムを実施している心理士、刑事法研究者等と定期的に対面・リモート両方において研究会を行った。その研究会での議論から得られた知見については、共同研究者と共同で論文を執筆し(フランス語、日本語)、公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響を受けて、フランス滞在の予定を大きく変更をせざるを得なかった。長期の在外研究から帰国後は、授業がない、長期休みの期間にフランスに短期滞在し調査を実施しているが、短い滞在期間では行うことができる研究活動も限られており、アポイントも予定通りに取れないことが多い。オンラインでの会議やヒアリングも行ってはいるものの、時差があるため、機会は限られている。したがって、コロナ禍の影響による当初の計画からの大幅な遅れについては、未だ取り戻せていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
日本とフランスにおいて、被収容者や刑務所出所者にたいする再犯防止推進関係の方策と生活支援に向けた方策が大きく変わってきている。この流れは、コロナ禍が落ち着いてきた2023年において一層加速したように思われる。本研究申請時には予測すらできなかった法制度や各種施策が打ち出され、それらの整理および実態調査もしなくてはならなくなっている。 そこで、効率的に調査研究を進めるべく、現在フランスの研究者等との共同研究体制を強化して、研究活動を行っている。オンライン研究会の回数を増やし、フランス滞在時に行う研究活動の準備をより一層入念にするようにしている。 現在は、調査研究のみならず、本研究の成果をまとめる作業にも取り組んでいるが、その作業においても、専門的知識を有し、日本語とフランス語に精通している専門家の協力・助言を受けながら、作業を進める予定である。
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