研究課題/領域番号 |
19KK0318
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
遠藤 環 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (30452288)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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キーワード | インフォーマリティ / メガ都市 / アジア / タイ / ジェントリフィケーション / 格差 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、第1に、都市下層の視点から生産領域と再生産領域の議論を架橋するような理論、新しいフレームワークの検討と構築、また国際的な研究ネットワークへの参加と構築を目的とする。ロンドンを拠点にヨーロッパや発展途上地域の研究者(地理学、経済学、都市研究)との議論を進める。第2には、タイを事例とし、バンコクにて長期フィールド調査を実施する。具体的には、都市労働市場の再編動向、居住空間・労働空間の変化を把握した上で、生産/再生産領域にまたがる論点を持つ戦略的地域/集団を対象に調査を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、タイ・バンコクを事例に、都市インフォーマリティを巡る包接と排除のダイナミクスを明らかにし、基課題「インフォーマル化するアジア」に寄与する事例研究を進めると同時に、生産領域と再生産領域を架橋するという理論的なフレームワークを検討することを目的としていた。コロナ禍により、在外研究やバンコクにおけるフィールド調査のスケジュールや調査方法には様々な制約と再調整の必要が生じた。研究期間後半には現地調査が可能となり、国際ワークショップでの発表を経てワーキングペーパー、論文を執筆・投稿(現在修正中)、単著の執筆に着手できた。また共同研究者を日本に招聘し(2名)、国際ワークショップを複数回実施した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2008年に世界の都市人口は5割を超え、今後の世界の人口はアジアとアフリカの都市で増えると言われている。アジアのメガ都市は世界の経済発展やイノベーションの牽引役であると同時にリスク・危機の発信源ともなってきた。また、圧縮した発展の結果、アジアの新興国・都市は、これまでの先進国の経験とは異なる、複雑な諸課題に直面している。従来の都市研究は、先進国、特に西欧諸国の対象にしたものが大部分であった。しかし、今後の世界が直面する諸課題に取り組むためには、アジアの都市の事例の理解、および理論的検証が鍵となっており、都市インフォーマリティを対象にした本研究は、単なる事例研究を超え、理論的、政策的示唆を持つ。
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