研究課題/領域番号 |
19KK0333
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
堀内 清華 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00807646)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2023
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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キーワード | 医療ケアの質 / 緊急産科ケア / 緊急新生児ケア / 母子保健 / 低中所得国 / トレーニング |
研究開始時の研究の概要 |
In recent years, it has been recognized that improving the service coverage rate alone is not enough to improve health outcomes, and importance of quality improvement is emphasized. Also, potential to use of digital device in low- and middle-income countries is getting higher because of the COVID-19 outbreak. This research is to synthesize evidence for continuing professional education in resuscitation and emergency care for mothers and children in the setting of low resource and low burden of cases, and summarize what aspects of continuous education can be covered by digital device.
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研究実績の概要 |
2022年1月より研究を開始、2023年1月よりオーストラリアに渡航し、本格的に研究を開始した。これまでラオス国において保健職員に対する周産期や新生児ケアのトレーニングを実施してきたが、トレーニング直後の知識や技術が向上しても、その維持や臨床への適応に課題があった。申請者が2017-2019年に実施した郡病院における質改善活動では、通常の新生児ケアの知識や技術の維持にはある程度効果があったが、出生時無呼吸の児に対する蘇生技術の維持は困難であった。蘇生を含む緊急時のケアは、瞬時の判断と実施が求められ、普段からの訓練が必要であると考えられる。しかし、ラオスにおいては悪路によるアクセスの問題や人材・金銭面の不足により、定期的にトレーニングを実施することは困難であった。そこで、郡病院の保健職員に継続的な新生児蘇生の練習を促し、モバイル端末による遠隔モニタリングとフィードバックにより、蘇生技術の継続的な向上を図ることとした。実施プログラムの設計に当たり、まずは保健職員のトレーニングに用いることが可能なデジタル機器を全て把握するため、2022年5月よりスコーピングレビューを開始した。レビューでは77本の論文を解析し、高所得国、低中所得国でそれぞれよく用いられるデジタル機器、その教育および健康アウトカムに対する効果、必要な資源などを整理した。結果はまとめて論文にし、現在投稿中である。スコーピングレビューの結果を、遠隔トレーニングプログラムの設計に反映し、パイロット研究のプロトコールを作成した。倫理審査が通り次第、ラオス国郡病院においてパイロット研究実施予定である(2023年9月頃の予定)。本研究結果は、新生児蘇生のみならず、緊急産科ケアなど緊急時ケアに応用できると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ビザの取得に時間がかかり、オーストラリアへの渡航が遅れ、数カ月ほど研究着手が遅れたが、これまでの研究の進捗状況には大きな影響はない。
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今後の研究の推進方策 |
ラオス国郡病院におけるパイロット研究のプロトコールの作成を終え、現在倫理審査待ちである。現地の研究協力者と連絡を取り合いながら、倫理審査を終え次第パイロット研究を開始する準備を進めている。パイロット研究は量的・質的研究を組み合わせ、2県4郡病院の保健職員50人を対象に3カ月間実施する。
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