研究課題/領域番号 |
19KK0335
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
伊藤 嘉余子 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (10389702)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2021
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 里親支援 / 里親ソーシャルワーク / 社会的養護 / 家庭養護の推進 / フォスタリング機関 / スコットランド / 里親 / 里親不調 / 代替的養護 / 家庭養護 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究「里親支援ソーシャルワークの構成要素に関する研究:スコットランドの実践からの考察」は、里親不調という里親のバーンアウトによる委託解除や「子どもの里親家庭間でのたらい回し(foster-care-drift)」を防ぐために有効な里親支援ソーシャルワークの構成要素について明らかにすることを目的とする。里親やソーシャルワーカー研修の研究・開発が進んでいるスコットランドの研究者や実践者との共同研究によって、より質の高い里親支援ソーシャルワークのモデルの構築を本申請課題では目指す。
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研究成果の概要 |
日本の社会的養護は、施設養護中心から里親等の家庭養護中心へと改革の緒に就いた。そこで、日本よりも里親委託率が高く、かつ施設養護も一定の役割を果たしている英国スコットランドにおいて「里親ソーシャルワークの構成要素」を明らかにするための調査研究を行った。里親ソーシャルワーカーや里親へのインタビュー調査の結果から「子どもには家庭が必要」という原理原則を守り実践する中で、自治体を超えた措置変更や頻繁すぎる措置変更が子どもに与える弊害やさまざまな実践上の葛藤があることが明らかになった。研究成果を踏まえ、今後の日本の社会的養護の改革の方向性について今後も検討を続けていきたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スコットランドでは10歳未満の子どもは原則施設ではなく里親に措置することとなっているため、自治体内だけで里親をマッチングするのは困難であるため全国規模で措置が展開されている。そのため、子どもにとっての「地元への愛着」はしばしば軽視されるとともに度重なる措置変更で子どもの心身の状況が悪化している現状が明らかになった。また、里親リクルートや登録前研修は日本よりもずっと厳しいが厳しさの質の違いもうかがえた。例えば、虐待やトラウマに関する専門知識よりも、誕生日などに子どもに愛情をどう伝えるかという「生活の中で愛情を伝える姿勢」に関する事前調査や研修が重視されていた。
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