研究課題/領域番号 |
19KK0363
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
坂井 建宣 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10516222)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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キーワード | 分子動力学シミュレーション / 粘弾性力学 / 高分子材料 / 時間-温度換算則 / ナノインデンテーション / クリープ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、極短時間領域しか解析ができない分子動力学シミュレーション(MD)を用いて、長期寿命予測を可能とするための技術である時間-温度換算則の適用可否について言及し、時間-温度換算則のアルゴリズムの解明を行うとともに、MD解析による長期寿命予測を可能とする。また、その結果の妥当性の検討のために、解析条件と同じ材料の入手および実験を行うことで、比較を行う。以上のようにMD解析で粘弾性解析を行っている当研究室と、時間-温度換算則について世界で最も進んだ技術を有するリュブリャナ大学の研究室で共同研究を行うことで、MD解析による信頼性のある長期寿命予測法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究ではMD解析の妥当性の検討について実験との対比を行うことで検討すること、また時間-温度換算則(time-Temperature Superposition Principle: tTSP)の自動化による正確な評価法のMD解析結果への適用を行うことで、将来的に長期寿命予測を正確に行うことを目標とした研究が行われた。tTSPの分子の動き解析の結果、結合変角および二面角ポテンシャルエネルギーはTTSPにより大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。ナノインデンテーション試験においては、MD解析と同レベルのサイズの実験が実施できず、比較を行うことが困難であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、高分子材料およびその複合材料全般に適用可能な時間-温度換算則に関する成果を得ており、特にその寿命を評価するうえでこれまで明らかにされていなかった、時間-温度換算則のメカニズムの解明を行っており、工学的に意義があると考えている。また時間-温度換算則を評価するうえで必要となる、技術者の主観に依存するマスター曲線の作成方法の自動化により、クリープ解析結果だけでなく、分子の動き解析結果についても正確なマスター曲線の作成および活性化エネルギーの評価ができた。本研究より将来的に分子構造と粘弾性挙動、特に長期寿命との関係を正確に求めることができるようになったと考えている。
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