研究課題/領域番号 |
19KK0378
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
張 景耀 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50546736)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
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キーワード | 大スパン片持ち屋根 / 局地的突風 / 連成振動 / 応答評価 / 時間周波数解析 / 大スパン構造 / 片持ち屋根 |
研究開始時の研究の概要 |
日本にはダウンバーストなどの局地的突風が雷雨日に60%強の高い確率で発生している。大スパン構造は大規模になるほど、風による大振幅振動が起こりやすく、突風による大スパン屋根被害が多く報告されている。したがって、気候の激変に先駆け、記録以上の局地的突風を考慮した大スパン構造の耐風設計法は非常に重要である。 本国際共同研究では、大スパン片持ち屋根の突風時の最大応答を予測する実務的手法の提案を目指す。本研究の成果は、想定外の場面にも対応できる大スパン軽量構造のための耐風設計法の確立に貢献できる。さらに、風荷重が支配となる大スパン軽量構造に対して、より大きいなスパンを有する構造の創生に繋がると考えられる。
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研究成果の概要 |
軽量かつ効率的に大きな無柱空間を覆う大スパン軽量構造は、災害時の避難所としても指定されるため、非常に重要な社会的存在でもある。本国際共同研究では、気候の激変に先駆け、大スパン片持ち屋根に絞り、記録以上の局地的突風を考慮した大スパン構造の耐風設計法の確立に重要な基礎研究を行った。特に、以下の課題展開によって進められた:(1) 過去ダウンバーストの発生・被害事例調査を行った。(2) 大スパン構造の非線形大変形に伴う振動数変化を捉える高精度時間周波数解析法を開発した。(3) 計算流体力学に基づいたダウンバーストの再現シミュレーションを行った。(4) 大スパン片持ち屋根の風応答予測法を提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
提案した時間周波数解析法は、建物の固有振動数およびその変動を効率よく抽出できる。この手法は、大スパン片持ち屋根の非線形非定常風応答において、大変形に伴う剛性・振動数の変化を定量的に追跡できる。ダウンバーストの再現シミュレーションでは、計算流体力学を用いて風荷重を算出し、様々なシナリオにおける構造応答を評価することができる。このシミュレーションは、大スパン片持ち屋根の風応答に関する連成解析を通じて、局地的突風による大振幅振動メカニズムを解明し、耐風設計法の確立に貢献する。 本国際共同研究の成果は、地震・強風大国の日本において、大スパン構造の災害に対する強靭性を向上させることに寄与すると考えられる。
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