研究課題/領域番号 |
19KK0408
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤倉 航平 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (50773751)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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キーワード | 肝様腺癌 / 遺伝子変異 / 次世代遺伝子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
肝様腺癌 (hepatoid adenocarcinoma) は、形態的にも免疫染色学的にも肝細胞様形質を呈する腺癌の亜型である。胃、膵臓、肺、子宮など様々な諸臓器での発生が報告されている。最大の特徴はリンパ節転移や肝転移が高頻度に起こる点にあり、鑑別診断や標準治療の確立が急務である。本研究では、胃原発肝様腺癌の次世代遺伝子解析を進め、分化・脱分化に関与する遺伝子の同定を目指す。
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研究成果の概要 |
肝様腺癌は、肝臓以外の組織に発生するが、形態的及び機能的に肝細胞癌の特徴を併せ持つ腺癌の特殊型である。胃は肝様腺癌の最好発部位で、肝転移やリンパ節転移が多く、予後は極めて悪い。研究代表者らは、外科的切除された、胃原発肝様腺癌症例を収集し、免疫染色、ドライバー遺伝子変異の同定、RNA-sequencingによる発現解析、胃癌オルガノイドの肝様分化の検討等、統合解析を行っている。本研究により、肝様分化を引き起こす要因とともに、治療標的の候補を明らかにしたい。他臓器の肝様腺癌に関しても、類似した発癌メカニズムが確認できれば、横断的な疾患概念に結びつく可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝様腺癌は胃をはじめとする様々な諸臓器で発生し、生物学的悪性度が高いことが知られている。臨床医の注目は高く、遺伝子変異、トランスクリプトーム、細胞生物学的解析を包括し、構成的に理解することは意義がある。また、欧米・アジアのいずれにおいても、肝様腺癌の発生経路に言及した報告はない。本研究成果がさらに進展すれば、病理診断の基盤構築や肝様形質に立脚した治療法が確立される可能性も考えられる。
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